inSmartBank

AI家計簿アプリ「ワンバンク」を開発・運営する株式会社スマートバンクの Tech Blog です。より幅広いテーマはnoteで発信中です https://note.com/smartbankinc

YAPC::Fukuoka 2025 参加レポート

2025/11/14-15に開催されたYAPC::Fukuoka 2025に、株式会社スマートバンクはPlatinumスポンサーとして協賛し、登壇者5名を含む計10人で参加しました。今回のブログでは、初参加だったocchi/nissyi/shmokmtの3名から、それぞれの視点から見たYAPCの模様をお伝えします。

セッションの感想

まずは、私たちそれぞれが特に印象的だと感じたセッションについての感想を述べます。*1

  shmokmt

大学における人工知能関連の教育について

福岡工業大学 情報工学部 情報工学科 教授 山澤一誠さんによる、AI時代における大学の教育についての講演でした。

過去の人工知能ブーム(エキスパートシステム、Prolog)から現在の大規模言語モデル(LLM)がどういう立ち位置であるかを説明した上で教授として学生にどのようなプログラミングの講義を実施しているかといった具体的な内容でした。

実際の演習や課題などではChatGPT等を使い、簡単にコードが生成できてしまうため、学生の理解度を正確に測ることが難しいという悩みがあるようでした。

大規模OSSに一人で立ち向かうには

Bunで働かれているSosuke SuzukiさんがWebKit/JavaScriptCoreにどのように貢献してきたかに主眼を置いた講演でした。大規模なOSSだと、BigTechをはじめとする各企業の社員がフルタイムでコミットしてる場合が結構多く、個人的には腰が重くなってしまいます。それでもJavaScriptCoreを修正し続けるSuzukiさんの姿勢からとても良い刺激を受けることができました。

ベストトーク賞おめでとうございます!

speakerdeck.com

  nissyi

AIコーディングの弱点、やっぱりプログラミングは人間が(も)勉強しよう

きしだ なおき(@kis)さんによる発表でした。

TransformerベースのAIの仕組みや進化の歴史、弱点などの解説を重点的にされており、その後「プログラミング言語に期待することは何か?」「プログラミングで意識すべきことには何があるか」ということを解説される内容でした。

特にAIの仕組みや進化の歴史、弱点の解説はとてもわかりやすくまとめられていて、発表中の限られた時間でも理解を深められました。スライドをご本人が公開されていたので、ご興味がある方はご覧になっていただくといいかもしれません。

speakerdeck.com

私はこの発表を聞くことで、生成AIの仕組みを知ることの重要さを再認識しました。 ブラックボックス的に動作する生成AIも、何らかの仕組みをベースに動作します。つまり、その仕組みには何らかの制約や制限があるということです。生成AIは、極端に言えば「一番それっぽいことを出力する仕組み」なので、いかにそれっぽいことを言わせるかが大事だと考えます。そのためにも、重要な情報を取捨選択し、適切なハンドリングをしてあげるべきです。これらの大事なことに対する理解度をあげることで、生成AIとより上手に付き合っていくことができそうです。

「生成AIは万能ではなく得手不得手がある」「人間がやるべきこと・AIにやらせるといいこと」などを改めて考えるきっかけとなるようなセッションだったと思います。

Stay Hacker 〜九州で生まれ、Perlに出会い、コミュニティで育つ〜

P山(@pyama86)さんによるキーノートでした。P山さんがどのようにプログラミングにのめり込んでいったのか、コミュニティの影響を受けながらどのように成長してきたのかという発表でした。

私ごとではありますが、前職のGMOペパボでP山さんのご活躍を見ていた時期があります。その印象が強過ぎて、「あのP山さんにもジュニアエンジニアだったような時期とか失敗とかがあったのか!?」と驚きました。当然なんですけどね。

この発表を聞いていて、とてつもない熱量を持って前に進み続けるP山さんの生き様が伝わってくるような気持ちになりました。最近、私の中で「どう成長していくべきか」という悩みを抱えるタイミングがあったのですが、P山さんの発表はそんな自分の背中を押してくれました。

登壇スライドが公開されていますので、まだの方はぜひご覧ください。

speakerdeck.com

  occhi

OSS開発者の憂鬱

Honoの作者であるYusuke Wadaさん(@yusukebe)による発表でした。

2021年12月から開発が始まり、GitHubスター数27,000を超える日本発のOSSとなったHonoですが、その裏側にある苦労や葛藤について語られました。発表内でキラキラして見えがちであると言及された「OSS」の世界ですが、実際には多くの憂鬱な側面があるという赤裸々な内容でした。

具体的には、異なる環境やランタイム(Cloudflare Workers、Deno、Node.jsなど)を使うユーザーからの多様なIssue/PRへの対応、再現が難しいバグ報告、仕様に対してWhyを聞かれることに対する辛さなど、大規模OSSのメンテナが直面する課題が紹介されました。

有名なOSSの作者から、普段は表に出てこない生々しい話を聞けたのがとても興味深かったです。特に印象に残ったのは、Minimal Reproduction(問題を再現するための最小限のコード)の重要性についての話でした。 これが提供されないことで問題解決が大幅に困難になるとのことで、自分がOSSにIssueを立てたりバグ報告をする際には、必ずMinimal Reproductionを共有するよう心がけようと思いました。

speakerdeck.com

ボランティアスタッフへの挑戦

  occhi

セッションの感想に引き続きocchiです。今回、私は当日のボランティアスタッフとして参加し、Track Aのタイムキーパーを担当しました。

正直なところ、当日の動きがちゃんとできるか不安でした。スタッフ参加は初めてで、何をどのタイミングで行えばいいのか、事前に把握しきれていなかったからです。しかし、実際に現場に入ってみると、複数回参加経験のあるスタッフの方が親切に指示を出してくださり、スムーズに動くことができました。

ボランティアスタッフとして参加してみて、改めてコアスタッフの方々のありがたさを感じました。当日ボランティアとして参加した私ですら、タイムキーピング一つで緊張感がありました。それを考えると、数ヶ月前から準備を進め、会場の調整、スポンサー対応、タイムテーブルの設計、当日の全体統括などをこなしているコアスタッフの方々の尽力には頭が下がります。

こうした方々の存在があってこそ、参加者が楽しめるカンファレンスが成り立っているのだと実感しました。

YAPCに初参加してみて

  occhi

初めてのYAPC参加 & 初ボランティアスタッフとしての参加はとても刺激的で楽しむことができました。

今回、ボランティアスタッフとして参加したことで、カンファレンスを「聞く側」とは違った視点で体験できました。運営に関わることで、普段は見えない舞台裏を知ることができました。例えば、タイムテーブルの進行や照明や音響など、普段は意識しない運営側の仕事を間近で見ることができ、カンファレンスへの愛着がより深まりました。

また、U29セッションで登壇させていただき、弊社のブースに立っている際や懇親会の際に感想を頂くことができ、とても貴重で良い経験になったと感じています。

speakerdeck.com

  nissyi

人生初のYAPCは、あっという間に終わってしまいました。

今までRubyKaigiやKaigi on Rails、RubyWorld Conferenceなどに参加したことはあったのですが、Rubyコミュニティ以外のイベントには初めての参加でした。YAPCの雰囲気は、今まで参加したイベントのどれとも異なる雰囲気があったように思います。

今回のYAPCに参加したからこそ出会えた人がいたり、久しぶりに交流できた方がいたりと、人とのつながりを感じられた点も嬉しかったです。今回の参加を起点にして、さらにつながりを増やしていきたいです。また、参加したことで多くの学びや気づきを得られました。いつかはYAPCに登壇できるぐらいに成長していきます!

  shmokmt

初めてのYAPCの参加でしたが、Perlを書いたことがない私でもとても楽しむことができました!

私はU29セッションでかなり久しぶりの登壇でしたが、懇親会で複数人の方から感想を直接いただくことができ、嬉しかったです。

speakerdeck.com

私がカンファレンスを楽しむことに集中することができたのは、一般社団法人Japan Perl Association をはじめとする運営に携わっている方々のおかげです。

この場を借りて感謝申し上げます。

さいごに

私たちはYAPCへの初参加を経て、それぞれが素敵な思い出を持ち帰ってくることができました。このブログから、その思い出たちの一部だけでも感じ取っていただけたら幸いです。

株式会社スマートバンクでは社員のイベント参加や登壇を全力で応援・サポートしています。そんなスマートバンクに興味を持った方は、ぜひカジュアル面談からでもお話ししてみませんか?

ご応募をお待ちしております!

smartbank.co.jp

*1:各セッションのタイトルとスライド上の見出しが異なるが場合があります。このブログでは、タイムテーブルの表記を引用しております。

We create the new normal of easy budgeting, easy banking, and easy living.
In this tech blog, engineers and other members will share their insights.