おはようございます、こんにちは、こんばんは。スマートバンク社プロダクトマネージャ(以降PMと記載)のBNBNです。2023年5-6月の2ヶ月間育児休業を取得していたので、今日はその時のことを書いてみようと思います。
育休取得者本人が書く体験談はだいぶ世の中に出回ってきたので、今回は趣向を凝らしてみます。自分視点で書いた体験談を妻や同僚という最重要ステークホルダーに読んでもらい、その人達と実施した感想戦まで含めて記事に載せてみます。
そして、この感想戦が予想以上に盛りだくさんになったので、前編後編に分けて記事を書くことにしました。ということで、この記事は前編でA. 本人の体験談 & B.妻との感想戦 をお届けします。
著者近影
背景情報
- 夫婦共働き世帯
- 出産予定日 : 2023/4/30
- 実際の誕生日 : 2023/4/29
- 何番目の子供 : 第2子
- 夫は第一子の出産時も2ヶ月の育休経験済み
- 住んでる地域 : 神奈川県横浜市
- 産む場所 : 神奈川県横浜市(里帰り出産はしてない)
- 近くに住んでる家族 : 夫側の両親、夫の兄家族
今回の育休期間の全体像
A.本人の体験談 🗣️
1. 妊娠確定〜社内に共有前
実はこの期間が心情的に一番難しいです。喜びは大きいのですが、同じくらいの大きさの不安がある時期。とはいえ周りには言えない気苦労も多くて、社内で半年〜1年後のプロジェクトについての話題とか出ると「その時期いないかもしれないんだよな…」と内心思ったり。でも言えない。言いたいけど言えない。ここがモヤモヤポイントです。
そして、妊婦のつわりもこの時期が一番酷いケースが多いです。この時期の夫は妻のサポートをしながら、「どうか無事に育ってくれ」とひたすら祈ってます。定期検診の日とか、仕事中でもそわそわしちゃうんですよね。
無事に育って欲しい、早く時間が過ぎて欲しい、という気持ちが強くて結構時間の進みがゆっくり感じるのがこの時期です。夫の自分でもこの状態だったので、実際に妊娠し、仕事をしていた妻の心労を考えると頭が下がる思いです。言い尽くされた言葉ではありますが「母は偉大」だと、改めて実感しました。
2. 社内に共有
安定期に入ると、やっと周りに言えます。大体こんな順序で話が共有するのがよくある流れ。
- 直属の上司に伝える
- 上司が人事に共有し、経営・人事レイヤーに共有される
- 直接仕事で関わる同僚に伝える
上司に相談する前は内心ドキドキするんですよね。不在時はリソースやりくりやフォローで負担を掛けるので、そこは気掛かりなんです。育休は取りたいが、上司・同僚に負担は掛けるのも分かってる。なので、上司のtakejuneがすごく喜んだ顔で「おめでとうございます!」と第一声を発してくれたのは、とてもホッとしました。
チームに共有した時も皆さん祝福してくれたし、「この会社にいるタイミングで出産イベントを迎えられて良かった」と心底思いました。ライフイベントは完全に個人の事情なのは自分でも理解しているので、そこに対して温かい反応がもらえたので、本当にいい会社だなあと感じました。
3. アサイン調整 & 引き継ぎ準備
12月には自分が育休取ることを全社に伝えて、本格的にアサイン調整に入りました。プロジェクトのアサインも自分が5-6月不在になる前提で組んでもらい、当時実装中だったB/43プラスのプロジェクトも不在の間 jouさんに引き継ぐことに。
振り返ると一番重要な意思決定だったのが、引継ぎ相手のjouさんも12月からプロジェクトに入ってくれたことです。引継ぎのドキュメントなども当然準備したのですが、3-4ヶ月一緒に仕事をしてコンテキストを共有していたことが何よりも大きかったなと。
引継ぎ観点もそうですが、単純にプロジェクト品質面でも良い効果がありました。PMが同じPJに複数人入ることで、手が回っていなかったマーケ施策が強化されてリリース時の認知拡大が広がったり、リリース前に分析観点洗い出してダッシュボード案のモックを作っておけたり、かなり良い効果が生まれた気がします。
PM職はプロジェクトに1人だけアサインされることが多いのですが、複数人でプロジェクトアサインされるの良いかもと思いました。お互いの仕事の進め方学べるし、2人で話すことでボトルネック特定精度が上がったり、より良いアイデアが出たり。なので、現在社内ではPMのプロジェクト交換留学制度みたいなことやるといいかもねって話をしています。
引継ぎの話に戻ると、自分が持ってた役割を誰にどう引き継いでもらうかは言語化してチーム全員が見られる場所におきました。3月までは進められるだけ進めて、4月はいつ産まれてもおかしくないので、あまり自分で仕事を持たないで済むようにスケジュールを組みました。そして、jouさんやPJメンバーの協力もあり、順調に引き継ぎ準備が進んでいきます。
4.出産直前期
そして、迎えた4月に事態が動きます。予定日は4/30でしたが、4月1週目に「いつ産まれてもおかしくない」と産婦人科医から告げられます。これは引継ぎを急がねばと思い、いつでもいなくなれる準備を進めました。4月2週目には一通り渡せたかも…という状態になりましたが、肝心のお子がリリースReadyになりません。4月3週目、4週目と時間は過ぎ、まだリリースReadyになりません。
これ男性育休特有の引き継ぎの難しさな気がしてて、女性の場合は出産予定日の大体6週間前から産休に入りますが、男性の場合は出産日の1週間後から育休開始みたいなケースが多いです。ここで難しいのは出産日は前後2週間くらいは余裕でずれること。出産が早くなると引き継ぎ不十分になるし、遅くなると手余りする。引き継ぎ不十分になるよりは、手余りした方がマシかなと思い、早めに引き継ぎを進めました。が、ちょっと引継ぎするタイミング早過ぎたかも……。こればっかりは結果論なので、仕方ない気はしてます。
「GW後になるかもね〜あはは」とか夫婦で話をしていた4/29の午後、急に陣痛が来て、その日の夜に無事に第二子誕生となりました🐣
結局ほぼ予定日通りだったのですが、4月1週目の「いつ産まれてもおかしくない」というお医者さんの見立てにより、必要以上にあたふたしてしまったな〜という感想です。
5.育休取得中
実践していたこと
- 産後3週間は家事全般夫がやり、妻は体調回復 & 赤子の世話に専念
- 産後4週間目〜育休終了までの役割分担
- 食事の用意&買い物 : 夫
- 洗濯 : 妻
- 掃除 : 妻
- 役所手続き : 夫
- 第一子の面倒を見る : 夫
- 第二子の面倒を見る : 妻
- 家族全員が同時に寝不足からの体調不良にならないようにする。具体的には夫&第一子、妻&第二子がそれぞれ部屋を分けて寝る
今回は2人目の育休だったので、1人目の時とはフォーメーションが違いました。第一子の面倒見るのが基本自分の役割だったのですが、一番大変だったのは寝かしつけです。今までママと同じ空間で寝ていた第一子。ママと別空間で寝ることに対する抵抗がかなり激しくて、パパとしてはメンタルタフネスを問われる時間でした。ただ、1週間くらい耐えると、第一子も段々慣れてきて抵抗しなくなってきたので、人間の慣れる能力すごいですね。
普段の生活
平日の生活リズムは大体こんな感じでした。
- 6:30 起床
- 6:30〜7:30 自由時間(動画見たり本読んだり)
- 7:30〜8:30 朝食準備・朝食・登園準備・ゴミ捨て
- 8:30〜8:45 登園
- 8:45〜10:30 ジムで筋トレ・買い物
- 10:30〜11:30 第二子の子守り 兼 自由時間
- 11:30〜13:00 昼食準備・昼食・片付け
- 13:00〜14:00 夕食の仕込み
- 14:00〜16:00 第二子の子守り 兼 自由時間
- 16:00〜18:00 お迎え・上の子と公園で遊び・足りないモノ買い出し
- 18:00〜18:20 第二子の沐浴
- 18:20〜19:20 夕飯仕上げ&夕飯
- 19:20〜20:00 お風呂準備&入浴
- 20:00〜21:00 子守り 兼 自由時間
- 21:00〜22:00 食器洗い・上の子の歯磨き&トイレなどの就寝準備
- 22:00 就寝
思い出の写真コーナー
- 左 : New born photoを出張カメラマンに撮影してもらった
- 右上 : 八景島シーパラダイスでオタリアに触った
- 右下 : 姉弟並んだパジャマショット
育休を取ってみた感想
良かった点 👍👍👍👍👍👍👍👍
- 育休全般
- 誕生直後の2ヶ月は変化が大きいので、それを間近で見られたこと
- 家族の役に立つ行いをすると、家庭内の居心地が良くなる
- 妻との会話が自然と増えた
- 平日にお出かけできて、休日混んでる場所に行けたのよかった。こどもの国、江ノ島水族館、八景島シーパラダイスとかにお出掛けした
- 第一子との関わり
- 第一子がパパに懐いてくれるようになった
- 第一子がママと一緒じゃなくても寝られるようになった
- 保育園のママ友・パパ友と話す機会が増えた
- 自分の成長実感
- 1回目の育休と比較して、家事全般こなせるようになった
- 特に料理の手際がよくなっていた
- 週4で筋トレをやり始めて、育休後も続いている(そのうち個人ブログで書く予定)
- 育休全般
悪かった点 🙅🙅🙅🙅🙅🙅🙅🙅
- ない!!
- が、仕事復帰直後の1ヶ月間はしんどかった
- B/43プラスリリース直後の繁忙期がすぐに来た
- 仕事脳が元に戻ってないタイミングで繁忙期がきて、上手く対応できないこともあった
- 休んでたブランクは何らか出るので、早めに助けを仰げば良かった
B. 妻との感想戦 👩🏻✖️🐝
Q1. 出産前の時点で、育休期間中の夫に何を期待していましたか?
妻 (以下:👩🏻) ご飯を作ってもらうこと & 第一子の面倒を見てもらうことは一番やってほしかったことかな。第一子の寝かし付けは特に。
BNBN (以下:🐝) 寝かし付けを「特に」やってほしかった理由はなに?
👩🏻 第一子は夜中に何回も起きて目を覚まして泣いてがひどかったのよね。第二子誕生前は赤ちゃん返りをしていて、出産前から寝不足で辛かったのが大きいかな
Q2. 実際に助かった点はありますか?
👩🏻 : 期待していたことは満たしていたと思う。毎日ご飯作ってくれたし。 パパが第一子と別室で一緒に2人で寝てくれたし。自分の入院中にパパと第一子が2人で寝るルーティーンができたのが良かったのかもね。
🐝 : たまに「ママじゃなきゃヤダ」って第一子が寝れない夜もあったけど、それはどう?
👩🏻 : 確かにあったけど、想定よりはかなり少なかったかな。毎晩そうなるかと思ってたけど、実際は週に1回あるかないかくらいだった。あとは第一子がパパと寝始めてから夜中に起きる回数も減った気がする。不思議だよね〜。あ、でも第一子が起きてることに、パパが寝てて気づいてないだけかも(笑)
🐝 : その可能性は否定できない。
👩🏻 : 以前は毎日毎晩夜中に起きて叫んで蹴って暴れての繰り返しだったから、第一子が産まれてからろくに寝れた記憶がないんだよね。その状態と比べるとかなり寝られるようになった。
🐝 今別の部屋で寝てるからよく分からないんだけど、第二子は夜中寝てくれるの?
👩🏻 : たまに夜中起きるけど、そんなに泣かないよ。あとは授乳したらすぐに寝てくれるからかなり助かってるかな。
Q3. 逆にもう少し頑張って欲しかった点はありますか?
👩🏻 : 掃除・洗濯かな。掃除で言うと結局、自分の方がホコリ・汚れが気になる。夫にはもっとやって欲しいとは思うものの、頼んでやってもらったとしても作業品質が低いから、自分でやった方がストレスが低いのはある。掃除機も言われないと全然かけてくれないしね。自分は埃アレルギーがあるので、ちゃんと掃除できてるかには敏感なんだと思う
🐝 : ここは自分でも自覚あるな…。他に困ったこととかあった?
👩🏻 : あとは「育休期間中だから」って夫が張り切って色々やってたら体調崩して発熱した時は、勘弁して欲しいって思ったかな。自分1人で子供2人同時に面倒見たり、特に寝かし付けするのは正直厳しかった
🐝 : その節は大変ご迷惑をお掛けしました、反省しております
Q4. 2ヶ月って育休期間はどうでした?
👩🏻 : 育休期間1ヶ月だったらほとんどお出かけできないけど、2ヶ月あったからみんなでお出かけもできて、それが良かったかな。家族の思い出がたくさん作れたし。ただ、産後1ヶ月の第二子を色々なところに連れて遊びに行きすぎたかな〜っていうのは、少し反省材料かな(笑)
🐝 : 近隣の水族館3つくらい行ったよね〜。あとは普段しない話ができるのが育休期間の良さだよね。
👩🏻 : 確かに。第一子の時も夫が育休2ヶ月取得して、将来教育費とか住宅ローンにいくらか掛かるを一緒に考えたり、散歩しながら分譲マンションを探したりしてたよね。2ヶ月あると普段忙しくて出来ない家族の用事もできるし、家族の将来をゆっくり考えられる時間もあるよね。
Q5. 今回は里帰り出産しなかったけど、その点に関してはどう振り返りますか?
👩🏻 : そういう意味で言うと、当初は里帰り出産してもいいかな〜なんて考えてたんだよね。
🐝 : 確かに最初はそういう話してたよね。
👩🏻 : でも私の実家が北海道で遠いし、第一子を連れて行くと2ヶ月間保育園に通えなくなっちゃうな〜って気付いて。第一子も保育園のお友達がたくさんできてきてるのにかわいそうかなと思ったんだ。ただでさえママは赤ちゃんに付きっきりなのに、お友達とも会えなくなるのは第一子の精神衛生上良くない。それなら里帰りせず今住んでる横浜で出産した方が良いと考えたの。
🐝 : うんうん、実際どうだった?
👩🏻 : 夫が2ヶ月間育休取れる環境だったのは大きいよね。今住んでる場所で出産、産後も自宅で育児ってなっても、安心してやれた気がする。
Q6. 育休期間終了後、夫の家事育児参画についてはどうですか?
👩🏻 : 夫が週3でテレワークなのはかなり助かってるかな。平日朝は保育園送りしてくれて、平日夜にお風呂入れてくれるし、会議の合間に第二子をあやしたりとか、完全ワンオペにならないのはありがたい。近所のママ友は、夜ご飯 & 寝かし付け & お風呂 を平日週5でやってるとかよく聞くのよね。あとは自分の所属企業の男性陣は、出張も多いし、残業も多いし、奥様たち大変そうだなと。そういう話を聞くと、我が家は恵まれている家庭環境だとは思うかな
🐝 : うちの会社は現状出張ほぼないし、テレワークが多めにできるのは、子育てする上では恵まれた環境かもね。
👩🏻 : あと週末の晩御飯は引き続き作ってくれているのは、頑張ってるよね
前編のまとめ
ということで、本人の体験談 & 妻との感想戦でした。我が家のケースでは育休のメリットを夫婦2人とも感じていましたが、家庭によって育休を取るべき or いつから育休取るべき or どれくらいの期間取るかの最適解は全然違います。夫婦でよく話し合い、自分たちにとって一番最適な解を一緒に探すこと、合意した最適解をちゃんと実行することが大事です。読者の方には、育休を検討する際の一つの事例として扱ってもらえれば幸いです。
後編は同僚との感想戦 & 上司である takejuneにインタビューをお届けします!業務を引き継いだ周りがどう感じていたか、経営陣が社員の育休に対してどう捉えているか、その辺をまとめております〜。
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