こんにちは。スマートバンク広報のchika(@chika_iwa_)です。
”すでに結婚している”夫婦が誓い直す、リマインド結婚式「セーブポイント」を2月15日に開催しました。ありがたいことに反響をいただき、他社広報の方とお会いした時にも「結婚式のやつ見たよ!」と言ってもらえることが多かったので、今回は企画から運営までの裏側をまとめてご紹介します。
そして、この企画はブルーパドル社の佐藤ねじさんと一緒に取り組んだものです。SNSでバズる企画の作り方や細部へのこだわりなど、佐藤ねじさんから学んだことが多かったので、最後に学びをまとめてみました。
SNS企画やPRイベントの企画・運営に興味がある方に、少しでもお役に立てたら嬉しいです。
B/43がすでに結婚している夫婦の”誓い直し”サービスを企画した背景
B/43ペアカードは、同棲や結婚、出産などライフイベントを迎えたときに使い始めるユーザーさんんが多くいます。そのため、マーケ・広報チームでは「結婚や出産などのライフイベントの際にどうやってB/43を想起してもらうか?」を大事なポイントの一つとしています。
「結婚 x B/43」の認知を広めるために、関連するメディア露出を狙うことや調査プレスリリースを出すこと、ウェディング系の会社とコラボすることなどの手段があります。その中でも、今回は新規チャネルの検証も兼ねて「SNSで話題化させて、B/43を知らない層に認知を広げる」という新しい取り組みにチャレンジすることになりました。
SNSにおいてポジティブな熱量で話題になった企画といえば、よなよなエールさんの「隠れ節目祝い」。この企画者のブルーパドル 佐藤ねじさんに、マーケティングの土屋さんが相談したことをきっかけに、B/43ペアカードのPR企画を一緒に考えることになりました。
B/43ペアカードのユーザーインタビューをインプットしたのち、佐藤ねじさんから「B/43ペアカードの認知UP」をゴールに多数の施策を提案いただきました。その一つがリマインド結婚式の構想です(ちなみに、初期案は「お財布結婚式」という内容でした)。
「結婚する夫婦にはB/43」というブランディングになることと、カップルのインサイトを掴んでいてSNSでの話題化を狙えそうだと考えて、この施策の具体化を進めていくことにしました。
そして、初期案から企画や座組みをブラッシュアップして、リマインド結婚式「セーブポイント」が誕生しました。
リマインド結婚式とは、牧師さんの前で夫婦が改めて誓い直せるサービス。「すでに結婚している夫婦」のためのプチ結婚式です。
RPGゲームでは教会や聖なる場所で、定期的にセーブできます。これを夫婦で例えると、教会や結婚式場でセーブ(誓い)をしてから、一度もセーブなしで過ごすようなものです。ゲームでこまめにセーブするように。神社で毎年初詣するように。牧師さんの前で、パートナーへの愛や感謝などを誓い直す”セーブポイント”を作りました。
企画を形にするまでに取り組んだこと
実行スケジュール
企画から告知、イベント開催まで含めると7ヶ月くらいかけて取り組んだ施策になりました。SNSのバズを狙うために告知時点の写真撮影やLPの内容にかなりこだわりつつ、イベント当日もクオリティの高いものに仕上げるという点で、大きな山が2つあるような施策でした。
- 8〜9月:ブリーフィング、企画提案、深掘り、キャンペーンの座組み検討
- 10月:イベントパートナー調整、会場選定、牧師さん手配、カメラマン・モデル調整
- 11月:告知用写真撮影、デザイン、LP実装
- 12月:プレスリリース、SNS投稿、DM送付、メディアリレーション
- 1月:当選者選定、参加者連絡、タイムスケジュール作成、音響、制作物作成
- 2月:台本作成、スタッフ調整、当日運営、メディアリレーション
1つ目の山、SNS告知に向けて
まずは、企画のブラッシュアップや座組みの検討を経て、コンセプトに合う会場選びと交渉、牧師さんの手配を進めました。
会場選びのところからイベントプロデューサーの水谷さんにも加わっていただき、コンセプトに合いそうな教会をリストアップしてメールや電話でご相談していきました。これがなかなかに難易度が高かったです…!
教会では普通の礼拝や結婚式は行っているものの、「すでに結婚している夫婦の誓い直し」「本物の牧師さん」「25組で10分ずつ」というのは、あまり前例がない取り組み。担当の方はコンセプトに共感してくれたものの実施が難しいところもあり、電話や下見もいろいろと重ねて、なんとかコンセプトに合う雰囲気&ご快諾してくれる会場(代官山鳳鳴館さん✨)と出会えました。
それから本物の牧師さん、社内モデル(本業は別職種)のおふたり、カメラマンのトラノコクさんにもご協力いただけて、SNS告知用の撮影が完了。それをもとに、佐藤ねじさんがLPのデザイン、デザイナーのゆっきーさんに実装を進めていただきました。
撮影素材をもとに、素敵なデザインとRPG感のある実装をこだわり抜いてくださったおかげで、セーブポイントのコンセプトが伝わるLPが出来上がりました。(おかげさまで、LPがよかったから応募した!という声もたくさん頂きました☺️)
一つの投稿で共感してもらうために、佐藤ねじさんとともにXの投稿内容を何パターンも作成して、テスト投稿でブラッシュアップしながら決定。それをもとにプレスリリース作成、メディア選定、投稿を広めていただけそうな方のリストアップなどを進め、2023/12/7にSNS投稿&プレスリリース配信をしました!
リマインド結婚式『セーブポイント』
— 佐藤ねじ / ブルーパドル (@sato_nezi) 2023年12月7日
ドラクエの教会セーブみたいに、夫婦が誓い直し(セーブ)できるサービス開始!
●「すでに結婚してる夫婦」のための結婚式
●牧師さんの前で、想いを誓い直し
●2人きり/私服でOK(気楽)
●参加無料/要予約https://t.co/FyLEyYXFzI pic.twitter.com/whusUkO50y
現実世界に「セーブポイント」を作ってみました。ドラクエの教会のように、夫婦でお互いの関係や、お金のことも誓い直し(セーブ)できるサービスです。
— takejune (@takejune) 2023年12月7日
参列者なし、2人で私服でOK。代官山鳳鳴館を貸切。プロカメラマン、神父様完備。
まずは2月に25名限定で開催予定です⛪https://t.co/RS416SY8Gi pic.twitter.com/9RNfWLEcm4
結果として、佐藤ねじさん、なつめさんち、CXO takejuneさんの投稿など含めて、合計で13,000いいね・100万View近くまでリーチを広げることができました。引用リツイートも共感の声が多かったことがとっても印象的でした。
そして申し込みは640組!オープンにはできないですが、応募フォームのコメントの一つ一つが熱い想いのこもったものばかりでした。「子育てでバタバタしているから改めて2人で誓い直したい」「コロナ禍やお金がなくて結婚式ができていない」「事実婚や再婚、授かり婚で結婚式をしていない」……そんないろいろなパートナーシップの方が求めている企画を作れてよかったなぁと思うとともに、本番もよいイベントにするぞと身が引き締まりました。
2つ目の山、イベント開催に向けて
1月中旬の応募締め切り後、640組の中から25組の抽選を進めました。結婚して10周年の夫婦も新婚や事実婚の方も、子供と一緒に参加される方もしない方も、できるだけ偏りがないように様々なパートナーシップの方を選びました。
当選率が4%しかないこともあり、できる限りイベントには参加していただきたいと思ったので、メールだけでなく参加者の方全員と電話して、ご参加の理由や誓い直しでやりたいことをお話しました。当選を喜んでいただける方が多くて本当に嬉しかったです(当日も無事23組に参加いただけました!)。
同時に、メディアさんへの案内も進めていて、日経MJの記者さんが興味を持ってくださいました。そこで作戦会議した時に「単なる誓い直しではなく、”セーブポイント”のコンセプトが面白いから、それも写真でわかったらよさそう」という話に。
どうやったらゲーム感ある雰囲気を出せるのか悩んでいたのですが、デザイナーのゆっきーさんに相談すると「ゲームっぽいフォトプロップスを作る」というアイデアを提案していただけて💡『ふたりの結婚をセーブしますか? はい・いいえ』といった、RPG感のあるセリフ入りのフォトプロップスを作りました。
本当に可愛くて、当日も大人気でした!そして、日経MJさんにも素敵な記事を掲載いただけました。
【28日のMJ】2月中旬の平日、東京・代官山の「鳳鳴館」で23組の夫婦が結婚式を挙げました。結婚式といっても参列者はおらず、一組わずか10分で終わります。このイベントの名前は「リマインド結婚式 セーブポイント」。一体誰が、なにをセーブしているのでしょうか。 pic.twitter.com/Q1djIsv4Uv
— 日経MJ (@nikkeimj) 2024年2月28日
イベント準備は、1日25組の誓い直しを行うタイムスケジュールを検討したり、牧師さんの台本を作ったり、音響を選んだり、当日マニュアルを作成したり……。水谷さんと一緒に中身を丁寧につめていきました(プロのイベントパートナーと一緒に動かせるのは本当に心強かったです)。
特に音響は当日の体験にかなり関わるところなので、水谷さんと佐藤ねじさんと一緒に検討して、実際に教会でリハーサルも行いました!
当日運営は12時から21時まで。スタッフは、B/43の新規獲得チーム(マーケター、コミュニケーションデザイナー、リサーチャー、CS)とビジネス本部(BizDev)の皆さんに協力してもらい、一人ひとりのホスピタリティのおかげでスムーズに進行できました。
階段を登る時のドキドキしたふたりが、チャペルを出て階段を降りる時には満面の笑みで……拍手を送ってこれからのふたりの幸せを願うことができて、素晴らしい体験作りができたと思います✨
満足度は4.8(5点満点)、参加者さんからの投稿も10件以上、そしてメディア露出8件につながりました。(ちなみに、テレビ取材も誘致したかったのですが、今回はタイミングと力が及ばず……!)
仕事がお互いギリギリまで終わらなくて現地集合なの、結婚式場の下見でも同じようなことやったねとか。写真撮られすぎて顔が引き攣るのも懐かしいねとか。向かい合うのすら照れくさい結婚3年目でしたが、改めて誓い直してきました!
— 法務のいいださん🦈 | 3/15 #ひとり法務本 出版📘 (@Iidasame) 2024年2月16日
(カード使いすぎてボロボロなのはご愛嬌🤣)#B43リマインド結婚式 pic.twitter.com/YbS0u9AJsD
【インスタで1日で10万回再生📸✨】
— りょーくんP🐼SPECAグループ会長兼CEO (@ryokunblog) 2024年2月28日
600組以上の夫婦の中から選ばれ、ドラゴンクエストのような世界観で結婚生活のセーブができる『リマインド結婚式 セーブポイント』に参加してきた😊
鳳鳴館の雰囲気がドラクエの教会感がありめっちゃ良きでした⛪️✨@B43jp #B43リマインド結婚式 #セーブポイント pic.twitter.com/0CtUSefGqt
以上が、企画から運営までの裏側のご紹介でした。最後に、佐藤ねじさんから学んだことをまとめてみます。
佐藤ねじさんから学んだこと
1.インサイトを捉えた企画を作る
今回の企画では、結婚している夫婦のインサイトをうまく捉えていたことで、X(旧Twitter)での100万Viewまでの話題化や640組を超える応募につながったと思います。
他企画ですが、佐藤ねじさんのインサイトの捉え方は下記記事にも詳細に書いてあります。
また、インサイトの仮説を持つにあたっては、普段のユーザーインタビューで「B/43を使う理由」だけではなく、「ユーザーさんがどういう人でどんなことに興味があるか?」をUXリサーチャーのharokaさんから共有してもらっていたのも大きかったと思います。
お金だけではなく夫婦の対等な関係性に興味のある方が多いことや、結婚式やフォトウェディングに向けてお金を積み立てている方がいることなどから、ユーザーに近しい人は今回の企画に興味を持ちそうだと仮説を持つことができました。
2.熱源を作る
いい企画を作るだけではなく、企画を広げるための熱源を作ることの大事さを学びました。佐藤ねじさんの投稿からは子供のいる夫婦層に広がり、CXO takejuneの投稿からはクリエイティブやB/43ユーザー層に広がる。ほかにも夫婦の関係性について興味を持っている方に個別にお知らせしたり、相性のよいインフルエンサーさんにご依頼したりすることで広めることができました。
インフルエンサーさんは、なつめさんちとコラボさせていただきましたが、「夫婦 x ゲーム」好きなフォロワーさんが多いことから、1万いいねを超える反響をいただきました。企画を立てる時にどうやって熱源を作るかを考えること、そしてそれ以外の日々の活動でも一緒に広めてもらえるようなパートナーと関係を築くことが大事だと思いました。
リマインド結婚式「セーブポイント」っていう企画が素敵過ぎました😭⛪️✨
— なつめさんち⭕️🐤 (@natsume_sanchi) 2023年12月10日
「すでに結婚してる夫婦」のための10分で終わる超気軽な結婚式🌻
怒涛に過ぎゆくオートセーブだらけの夫婦生活だけど、改めてこうやって、古き良きアナログセーブをしていつでもロードできる様に思い出を作りたいものです…🥹… pic.twitter.com/zsxxPVyCSv
3.クリエイティブと体験にこだわる
告知の時には、どんな教会でどういう形にするか、1枚のビジュアルとLPのクリエイティブにこだわり抜く。そしてイベント開催の時には、誓い直しのときの音響や雰囲気作りもかなり検討を重ねました。
考えたコンセプトをビジュアルやリアルな体験の場にするときに、『すでに結婚している夫婦の「セーブポイント」がどのようなものであるべきか?』を考え抜くことの大事さを一緒に仕事をしながら学びました。
終わりに
今回は、リマインド結婚式「セーブポイント」の企画から運営までの裏側をご紹介しました。SNS企画やPRイベントの企画運営に興味がある方に、少しでもお役に立つ内容になっていたら嬉しいです。
最後になりますが、ご一緒させていただいた、企画・佐藤ねじさん、イベント・水谷さん、写真家・トラノコクさん、社員の皆さまありがとうございました。
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