こんにちはスマートバンクでCTOをしております@yutadayoです。5/15 ~ 17に RubyKaigi 2024 が開催され、スマートバンクはスポンサーをさせていただきました。
私個人としても久しぶりの RubyKaigi の参加でしたが、結論から言うとめちゃくちゃ楽しかったです、セッションを聞くこと、参加者と交流すること、スポンサー活動をすること、どれも楽しく充実した3日間でした。
今回もイベントへのスポンサーを通して様々なコミュニティイベントや広報企画を実施してきました。当日の感想も交えて、今回のスポンサーに関連して行った施策を振り返っていければと思います。
RubyKaigi に参加しスポンサーを行うこと
カンファレンスに参加し、スポンサーを行うことには重要な意義がいくつか存在すると思っています。
- RubyKaigi は Ruby に関する最も大規模な国際会議の場であり、多くの Rubyist に会える場でもあるので、自社のことを PR していきたい
- 日頃お世話になっている Ruby コミュニティや Ruby 自体を支援し、カンファレンス自体を盛り上げたい
- Ruby にまつわる知見が多く集まる場に参加することでエンジニアの成長機会を作りたい
以上のような思惑が自分の中にあり、スマートバンクは去年の夏頃から本格的に主に Ruby コミュニティに対しての技術広報や、イベントを行い、そして今回もやるなら本気でやろうよの精神で RubyKaigi に対して取り組んできました。
RubyKaigi 2024に向けた取り組み
やるなら本気でやろうよ!というスローガンでスポンサー活動を行っていますが、今回も単にスポンサー費用を出して、スポンサーをすること以上に RubyKagi に向けて真剣に取り組んできました。勿論自社PRをすることは重要ですが、Rubyという開発コミュニティにキチンと貢献する、イベント自体が盛り上がり、自分たちもテンションが上がることをするぞ!というのを念頭に登壇者の輩出やスタッフとしての貢献、ドリンク提供など、様々な取り組みを行っています。
- 事前のスポンサー各社とのRubyKaigi予習イベントの開催
- 登壇者3名によるRubyKaigiでの発表
- デザイナー2名による RubyKaigi でのデザインスタッフ参加
- Hydration Sponsor としてのドリンク提供
スポンサーについて
今回は初スポンサーながら、Hydration Sponsor という形で当日会場でドリンクを提供させてもらいました。初回からこういったカスタムスポンサーをするのは中々チャレンジングでしたが、連日沢山の方にドリンクを振る舞えたのは大変良かったです。是非、ブースの舞台裏をのせている下記エントリーも見てみてください。
一般的なブースを構えてというのとは、違う形でのスポンサーだったので、ドリンクの調達や当日の運営含めて、工数がかかり大変ではあったのですが、下記の点はこのスポンサーをしてめちゃくちゃ良かったと思います。
- ドリンクをもらいに来ていただけるので、来場者と接点を多く持てる
- カップやドリンクパネルなど、オリジナリティある制作物を通して、自社のPRができる
- ドリンクを飲んでいる方の息抜きとして自然な形で、来場者の方と話す時間が作れる
私は、ほとんどの時間ドリンク提供カウンター周りでお話しすることが多かったのですが、色んな方とお話ししたり、久しぶりにお会いする方や元同僚が来てくれたり、ドリンクの写真をSNSにアップしてくださっている方がいたりと、非常に楽しくスポンサー活動をさせていただきました。
登壇者の発表
Day1 のスピーカーセッションには ohbarye と osyoyu の2名が、Day2の LT に chobishiba がそれぞれ登壇しました。RubyKaigi のような大きいカンファレンスに同僚が登壇し、大勢の前で堂々と話すのを見ていると、胸が熱くなりましたね。めちゃくちゃ刺激にもなりましたし、どの会も満員で非常に盛況でした。各メンバーの発表スライドは公開されていますので、是非ご覧ください。
ohbaryeからはRactorを用いたProperty Based Testing(PBT)に対する発表がありました。実際にRactorでテストを行う際の課題としてrspecなどの既存のテストツールとの親和性がなくハックが必要なことや、CPU-boundな処理以外ではシーケンシャルにテストをした方が速度が早いなどの知見が話されていました。ohbarye が公開した pbt gemはすでに150以上のスターがついており、今後の開発が期待されますね。
osyoyuは2023年度に続いてなんと2年連続の登壇です、スゴイ👏 今年も Profiling をテーマに今回は自作プロファイラの Pf2 の紹介を行いました。実装者の視点でプロファイラを作るために必要なステップごとに実装方法と工夫点を語っていました。今月末に事後勉強会でも登壇予定なので、聞き逃した方は是非参加して見てください。
Lightning Talks 3番目にchobishibaがクリエイティブコーディングについてLTしました!楽しみながら日々の営みとしてコーディングを行い、楽器を弾いたり日記を書いたりといった感覚でやると話していたのが自分は印象的でした。実際にQRコードを読み取ることで個々に違ったクリエイティブが見れるのもめちゃくちゃエモかったです。
RubyKaigi 2024のデザインについて
実はRubyKaigi2024の公式サイトや、かりゆしウェア、当日のパネル等々のデザイン物は全て弊社デザイナーの mmito と yuki930 が手がけました。めちゃくちゃデザイン良かったですよね。実際に自分も懇親会などでデザインのことを褒めていただいたり、海外の方からもデザインが可愛くて良いねとフィードバックをもらったりして、自分毎のように嬉しかったですね。
また、ドリンク提供用に用意したSNS映えするカップや、スタッフ向けにB/43デザイン仕様のグッズ(ワークシャツ、サコッシュやスカーフなど)も二人による作品で完成度がめちゃくちゃ高くテンションあがりました。
最後に壇上にて松田さんに紹介されるお二人を見て更に、胸が熱くなりましたね。詳しいデザインの過程などは mmito のエントリーも是非見てみてください!
孤独のCTOグルメ ~ 沖縄編 ~
今回も会場周辺のグルメマップ制作をやらせていただきまして、去年のKaigi on Rails、今年のYAPC 2024 に続き3回目の完結編?かもしれませんが、当日までに周辺のランチ場所の下調べや前々日入りし、会場周辺をロケしたりと楽しみながら企画をやらせてもらいました。
RubyKaigi 中は快晴だったので良かったのですがロケ中はどしゃぶりの雨だったので、撮影に難航しながらも国際通り周辺をグルッと回って沖縄を満喫しつつ、撮影できました。割と体を貼った企画なだけに熱心なファンの方がついてくれてるの嬉しいですねw
SmartBankさんの孤独のCTOグルメシリーズすきすぎる😂 https://t.co/sS4G0TZTCI
— ヤノ | ROUTE06 (@ynndino88) 2024年5月14日
技術カンファレンスへの向き合い方
少し今回のエントリーの趣旨とは脱線しますが、会場で色んな方と話す中で沢山登壇者がいてスゴイですねといった声や、カンファレンスにめちゃくちゃ力を入れてますね、スマートバンクさんのことを最近見る機会が増えましたなど嬉しい意見をいただくことが多かったです。
こういった形でエンジニアが自発的にプロボーザルを書いて登壇機会を作ったり、人事だけではなく多くのメンバーが協力してスポンサー企画や当日の運営を行うようになったのには理由があり、広報活動のモメンタムはいくつかの要素を揃えることで、意図して作り出せると思っているので少し紹介したいと思います。
前提の共有
何のためにスポンサーやカンファレンスへの登壇をやっていくかというのが、全社的に共有できていることが最も大事だと思っています。採用が事業を伸ばす上でも最重要でプロダクト開発と同じ様に採用に関して真剣に取り組んでいる会社なので、もっと会社やサービスのことを知ってもらいたい、沢山のエンジニアに魅力的に思ってもらい採用に繋げていきたいという思いから広報活動を本格化させてきました。この前提が全社目線でしっかりと共有できている点が大きいと思います。
もちろん予算を確保したり少なくない工数を一定割く必要があるので、RubyKaigi直前に全社MTGにて自分から予算を取った背景や当日何をやるかなどを共有し、スポンサーをすることやイベントに参加する意義を話しました。
文化的背景からの後押し
スマートバンクでは元々情報の透明性を高く保ち情報共有することや、自身の職域に閉じずに主体性を発揮することを文化的背景から推奨しています。
登壇を積極的に行う、オーナーシップを持ってスポンサー企画に関わる、フィードバックを送るといったことは、間違いなく弊社の文化がそれを後押ししていると思っています。
文化を象徴する動きを推奨 / 促進し、それを受けた各メンバーが実践する、実践したことを全員が賞賛やフィードバックをするサイクルが存在していることが、より強固なモメンタムを築けている要因になっていると思います。
サポート体制
細かい点ですが、実践していることがいくつかありますので、それらも紹介します。どれも当たり前だと思える点も多いですが、徹底してやる。すぐに効果が出るものでもないので、継続して続けるというのがポイントだと思っています。
登壇経験者や発表が得意なメンバーによるサポート
弊社では協力してプロポーザルを出したり、登壇内容をレビューするというのを、かなり徹底してやっています。今回も RubyKaigi 登壇経験者のosyoyuがバックアップしながら、プロポーザルのネタ出しなど、早い段階から取り組んできました。
誰でも最初からこういった活動ができる訳ではないので、チームで協力しあいながら、チャレンジしていくというのをやっています。
チーム目標化
自分は技術者として対外向けに発表機会を作ることは自身の技術力を高めることに繋がると思っていますし、イベントに参加 / 登壇することで外のコミュニティと繋がりができ、そこからフィードバックや知見を得たりする良い機会にもなると思っています。登壇を通して、結果それが会社を知ってもらうきっかけにもなるので、明確にチーム目標にも設定し、業務として取り組んでもらっています。
登壇内容を皆で見守り、フィードバックする
スマートバンク社はフィードバックする文化が強いのもあり、当日の登壇者の発表を応援 & 見守る、登壇者を労うと共に登壇内容や聞いていた人の反応などを登壇者に対してフィードバックしています。
自分は社外の人とお会いしたり採用の文脈で自社のことを知ったキッカケなどを聞く機会も多いので、その際は発表者にフィードバックするようにしています。
発表や力を入れて学習したことに対する、評価やフィードバック、賞賛がもらえることで、また登壇しよう、またそれを横で見た同僚が自分もやってみるか!とモチベーションが高まるといった良い循環が作れていると思います。
おわりに
RubyKaigi 2024での取り組みを振り返ると共に、スマートバンクがスポンサーや広報活動に力を入れている理由や、そのためにやっている取り組みなどを紹介させていただきました。
個人的には色んな方と廊下トークできたのがとても楽しくて、話して見たかった方と出会えたり、旧友と交流を深めたりできたのが改めて良かったと感じます。
また、チーム一丸となって登壇者の応援、当日のドリンク提供などに取り組んだことで結束力がより高まり、RubyKaigi終わった直後から次のスポンサーイベントどうしようか、次はどれに登壇するなど次につながる良い話ができていて、さらなる発信や広報活動に対するモメンタムを感じています。
今後も技術コミュニティへの支援や、登壇や外部PRを通してエンジニアの成長機会を上手く作っていくことを積極的にやっていきたいと思います!
引き続き、エンジニア採用もめちゃくちゃ力を入れてますので、スマートバンクのことに少しでも興味持っていただいた方、是非お話ししましょう!