はじめまして!スマートバンクで事業開発を担当している土屋(@takeshi)です。
2022年12月、Fintechスタートアップであるスマートバンクに入社しましたが、それまではアパレルや人材系など全く別の業界に従事しておりました。
Fintechに興味はあるけど、「複雑そう…」「堅苦しいイメージがあって自分には合わないかも」といった理由で足踏みされている方も多いのではないでしょうか?自分もそんな一人でした。
先に言っておきます、「複雑そう…」というイメージは合ってますw
かつ、未経験者の皆さんがイメージされているよりも数倍は複雑だと思います。自分も入社後に面食らいました。。
でも、そんな自分だからこそ見えている、スマートバンクという会社やFintech業界における魅力について語っていきたいと思います!
はじめに
まずは、当社のサービス内容を紹介させてください。
当社は、B/43(ビーヨンサン)というVisaプリペイドカードと家計簿アプリがセットになった「家計簿プリカ」サービスを提供しています。
アプリは1つですが、ターゲットや利用シーン別に3タイプのカードを発行しています。
私自身はペアカードをメインに使っているのですが、パートナーとの生活費に関する精算の手間が省けており、便利に利用させてもらっています。
買い物や外食する度に割り勘したり、〇〇代はこっちが持つね。みたいな管理は手間がかかるし、精算が漏れたりフェアにならない懸念もあります。
お互いが決まった金額をチャージしておけば、逐一精算をする手間を省けますし漏れる心配もありません。
お金のことはセンシティブなトピックで話しづらいからこそ、こういった簡易的なフローで運用することが重要だなと常々感じています。
実際に私自身も、B/43を使い始める前と比較すると、「今月分もうB/43に入金した?」とか「B/43で払ってないけど、この時のお金って精算したっけ?」などB/43があることによって会話量も増えています。また、そもそも精算すること自体が少なくなってきているので、総じてお金に対するストレスが軽減しました。
カード会社のビジネスモデル
簡単にビジネスモデルについても紹介させてください。
カード会社と聞くと、よくある会社だな…と思われますよね?
実は、一口にカードを提供している会社といっても、自社でカード発行している会社に加えて、大手カード会社と提携してカード発行されている会社もあったりします。
その中で、当社は、自社でカード発行から本人確認、決済におけるシステムを内製しているというのがユニークなポイントであり事業上の強みになっています。
これは、入社前に聞いても「ふーん」くらいの印象でしたが、業界内で説明したりすると結構驚かれる部分だったりします!
また、当社の主な収益源は、IRF(インターチェンジフィー)と呼ばれるカード決済された際の手数料です。
これは、ユーザーが手数料を支払うのではなく、加盟店(店舗や施設など)がカードブランド側に支払う手数料となっており、カードブランドからレベニューシェアを受ける形で収益を得ています。
下の図はカード決済におけるビジネススキームを簡単にまとめたものになるのですが、この中のイシュアーという立ち位置が当社となります。
その他、BNPL機能である「あとばらいチャージ」利用時の手数料をはじめ、ユーザーから直接頂戴する手数料もあり、これらも収益の一部となっていたりします。
ビジネスモデルや事業構造については、別のメンバーが詳細をまとめてくれているので、興味がある方はご覧ください!
未経験者からみる業界構造
冒頭にも言いましたが、金融業界の構造はとにかく複雑ですw
前職では事業部長というポジションで、クライアント含め様々な事業モデルに触れさせていただいていたつもりでしたが、それでもキャッチアップに時間がかかりました…
というより、いまだに分からないことも多く、色々な方に教えていただきながら業務に従事しています。日々是勉強也。感謝。
個人的に、金融・Fintechの業界構造として特徴に感じた点は2点です。
1点目は、何かするためには監督省庁およびカードブランドであるVisaの承認が必要という点です。
省庁および法律が多く絡むことはご存じの方も多いとは思いますが、個人的にはカードブランドとのやり取りが多くなることは意外でした。
当社であればVisaのブランドを借り受けてカード発行およびサービス提供することになるため、カード種類の追加や、決済関連の機能アップデートの際には、Visa側の承認を得なければなりません。
当社のようなスタートアップでは、過去に前例のないような座組の提案が多くなるため、審査や確認・検討に時間を要するケースが多く、それも見越してマイルストーンを引いていく必要があります。
2点目は、先ほどのビジネススキームの図でもご覧いただいた通り、とにかくステークホルダーが多いという点です。
何か1つの機能やサービスを提供したくても、自社だけで完結することは少ないです。提携が前提になることが多いので、その調査と提携先の選定などがMustになってきます。
総じてプロジェクトの時間軸が長くなりがちという構造を秘めており、半年や1年、長いものでは1年以上かかるものも少なくありません。
前職までは、内部的な方針や体制などが論点に挙がることが多かったので、こうした外部要因によってスキームや時間軸に制約がかかるという部分に、明確な構造の差分を感じました。
難しいからこそ見える可能性
では、難しいから敬遠すべきなのか?というと、個人的にはそう思いません。難しいイシューほど解決した時のインパクトも甚大で、そこにこそ挑戦しがいがあると感じています。
特にスマートバンクでは、ユーザーが本当に求めるものは何か?を起点に、実現できる方法を考えているので、大きな構造変革のチャレンジが生まれやすい環境だと感じています。
ここからは、当社が掲げる「人々が本当に欲しかったものをつくる」というパーパスを軸に、お話ししていきたいと思います。
世界的に見て、日本は金融領域におけるインフラが整っていますが、それって「人々が本当に欲しいもの」なのでしょうか。どちらかというと、それしかないから。それが当たり前と思っているから。そんな印象を受けます。
最近では、デジタル給与払い(ペイロール)の解禁など規制緩和の動きも出てきています。こういった法改正などの動きでダイナミックに業界構造が組み変わっていくのも、業界的な特徴と言えるかもしれません。
そういった環境の中で大胆なチャレンジができるのがFintechの醍醐味ではありますが、アプローチ方法によってはチャレンジが小さいものに留まってしまう構造もあると思っています。
前述した、当社が本人確認や決済のシステムを内製しているという話は、そんな中でも大きなチャレンジの一つといえるでしょう。
当社の強みであり、説明すると驚かれるという話をしましたが、それは、スタートアップの段階でここまで内製化しきれている会社が非常に少ないからです。私が入社する前の話にはなりますが、とてつもなく大きな意思決定だったのだと思います。
外注すればいち早くシステム構築できますが、仕様の制限によりUI/UXが自分たちの求めるものにならない可能性もあります。ユーザー体験を重視した際に、開発工数が膨らんだとしても内製すべき!という判断に至っています。
内製化した結果、社内でナレッジが蓄積され一段深い仕様検討ができていたり、決済などのデータを取得できるため分析や企画に利用できていたりと、プロダクトのユーザー体験をより深く追求できる体制を構築できています。
その甲斐もあって非常に好評をいただいており、リリースから2年で月間取引金額は数十億円規模に到達しています。
もちろん、そういったチャレンジは簡単ではありません。前例もなければ法律などの制限も多くあります。ですが、そういった障壁を乗り越えた先にこそ、社会や市場の構造を変えるような大きなインパクトを生み出すことができるのだと私自身は感じています。
求められるスタンス
それらを踏まえて、求められるスタンスというか、個人的に日々意識しているポイントについてもお話しできればと思います。
大きく意識している点としては、2つあります。
まず1つ目は、前提に捉われずに広い視野で物事を考えようとすることです。
先ほど申し上げたように、一つあたりのプロジェクトの時間軸が長くなるので、急な思いつきや状況の変化によってピボットができません。それにより一つ一つの意思決定に重みが出てくるので、さまざまな観点から議論をしていく必要があります。
個人的には、社内外問わず様々なステークホルダーの方と対話することで、自分だけでは見つけられなかった観点などを補填させながら、議論を積み重ねることを意識しています。
次に、根気強さも重要だと考えています。
既存サービスがない = 実現が難しいから存在していないというのが前提と捉えると、その障壁を超えていくことからスタートします。なので、一度アクションしてみてダメだったからといって諦めているようでは、大きな石は動かせません。
どういった部分がボトルネックになっているのかを具に確認・整理しながら、根気強くアクション「し続ける」ことを意識しています。
スマートバンクのこれから
当社は、引き続き「家族のお金のプラットフォーム」の開発にチャレンジしていきます。
B/43は、家族の誰かが家計管理することを想定した設計になっていますが、いまのところは「使う」領域にフォーカスしています。
ゆくゆくは「貯める」や「増やす」といった領域に拡大していきながら総合的な金融機能を提供していきたいと考えています。
今後、新機能の提供やアップデートも控えているので、ぜひお楽しみに!
さいごに
読んでいただきありがとうございました。
少しでも、皆さんが新たなチャレンジをする一助になっていたら嬉しいです!!
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