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B/43を運営する株式会社スマートバンクのメンバーによるブログです

【第2回】エンジニア自由研究の発表会レポート

こんにちは!CTO の @yutadayo です。 前回行ったエンジニア自由研究からさらに3ヶ月経過し、実際に本番環境で稼働しているものや、運用で使われているものなど圧倒的成果を出すことができました、そして先日また2回目の発表会を行ったのでそちらの様子をレポートしたいと思います。

前回の発表会のレポートはコチラ blog.smartbank.co.jp

なお、前回の発表が好評だったのもあり、社内でのオンライン視聴を望む声が多かったため、今回は meets を使ってオンラインでエンジニア以外の方も見れるようにしました。

配信の設定が完了後の発表が始まる直前の様子

研究内容の紹介

前回と同様に研究は週内の1時間を使い、活動が実施され今回は7件の研究内容の発表が行われました。それでは早速発表内容を紹介していきましょう。

ハッピーセット

最初の発表は @nakamuuu からのハッピーセットというタイトルで、下記の複数の研究内容を発表してくれました。

B/43 ではセキュア情報表示の際に事前に設定したパスコードを入力する必要があったのですが、Face IDを使用することで、パスコードの入力を省略することができる大変便利な機能の発表がされました。こちらは最新の iOS 版に既に実装されており、ユーザーへの価値提供に繋がる研究となりました。

また、B/43 の開発環境で決済のテストを行う際に今まで管理画面経由で行っていた作業をアプリの操作のみで行えるようにしたり、アプリ内で使用 されている複数種類の画像データの作成を半自動化するなど、今までオペレーション負荷が高かった作業を改善するといった発表も併せて行われました。

いずれも実用的で作業を行っていたエンジニアやデザイナーからは大好評な発表でした。

オフィスネットワーク改善

次に発表されたのは、SREチームの上平によるオフィスのネットワーク回線の速度を改善したという発表です。

オフィスでたまに回線速度が遅くなったり、会議室の電波が弱くなる問題を改善するためにオフィスのネットワークを回線から調べて改善に取り組んだという内容でした。
自宅に Yamaha RTX を持って帰り検証するという徹底した調査の甲斐もあり、通信を IPv4 over IP6 へ移行したり、会議室に新しくNW機器を設置するなどの改善成果が発表されました。特に会議室でのネットワーク環境が大きく改善されたのは大きな成果となり、社員にも喜ばれていました。

決済取引キャンセル時の返金処理時間短縮

@shohei1913 からは決済取引がキャンセルされた際に、ユーザーへ返金処理を行なっているのですが、その返金にかかる時間をデータ分析を行い、短くしたという発表が行われました。

B/43 はプリペイドカードとしてご利用いただいている特性上、お買い物をしていただいたタイミングで残高を減らす処理を行い、買い物がキャンセルされた場合は返金処理をしています。しかし、特定の条件下ではお買い物をキャンセルした場合に残高への返金処理にお時間がかかる場合がありました。既存の返金処理にかかっている時間を加盟店が取引確定のデータを送ってくるタイミングや傾向を分析し短くしたという成果発表でした。

こちらは実際に既にサービスに反映されており、返金を短いサイクルで行うことができ、返金時の問い合わせが減ったりするという効果も期待できる素晴らしい研究でした。

Zendeskアプリの開発

CREチームの佐藤からはCS(CustomerSupport)チームの作業を楽にするZendeskアプリを開発したというテーマで発表が行われました。

B/43はユーザーからのお問い合わせをZendeskで管理しており、お問い合わせ内容からユーザーを確認する際に、今まではZendesk上のメールアドレスを管理画面で検索して特定するという作業が必要でした。それを、Zendeskアプリを作ることでZendesk上からダイレクトに管理画面のユーザー画面に遷移できるアプリを作り、作業工数を削減するという研究成果の発表でした。

オンラインで中継を視聴しているCSのメンバーから感謝のメッセージが届くなど大変エモーショナルな発表にもなり、発表の場が非常に盛り上がりました。

続 iOS ウィジェット開発

iOSエンジニアの @_rockname からは前回の研究発表でプロトタイプをお披露目してインパクトのあった、iOS版B/43ウィジェット開発の中間報告が行われました。

PMやデザイナーとMTGを重ねてデザインや機能の仕様面を調整し、プロトタイプだった前回の発表から製品版に近い所まで開発が進んでいることが発表されました。特にB/43らしいデザインが決まったことにより、参加者からは歓声があがっていました。リリースまであともう少しという所まできているので、ユーザーの皆様に使っていただけるのが楽しみですね。また、現在のウィジェットとはまた違った切り口でのウィジェットの開発も企画しているとの発表もあり、次回の研究発表にも期待が持てる内容でした。

Dependency Update Automation

@ohbarye からは別エントリーでも紹介され反響のあった GitHub Appを使ってDependabot PR を自動でマージさせ、エンジニアの作業工数を削減したという発表がありました。

今までも Dependabot を用いたライブラリの更新作業は半自動化されていたのですが、今回は手動で行っていた更新を確認してマージ作業を行う部分まで含めて自動化を行ったという内容でした。既にライブラリ更新の自動化は完了しており、恩恵を受けまくっているエンジニアから高く評価された発表となりました。また、エンジニアではないメンバーに対しても丁寧になぜこの作業をやっているのかから説明する大庭らしい丁寧な発表が印象的でした。

取り組みの詳細が知りたい方は、是非下記のエントリーもご覧ください。 blog.smartbank.co.jp

CircuitBreakerの導入

サーバサイドエンジニアの@nilpoonaからはCircuitBreaker導入の検討と実装を行ったという内容の発表でした。

B/43 の決済を扱うサービスはマイクロサービスとして設計されており、これまでに何度かリクエスト先サービスの高負荷時に応答性能が悪化し取引に影響が出てしまうという問題がありました。同様の問題が発生した際の障害影響を極小化するための施策としてCircuitBreakerの導入を検討し、アプリケーション側で実装を進めているという研究でした。発表の数時間後にはPRが提出されており、こちらの研究も後少しでサービスインがされそうです。

まとめ

ここまで、第2回のエンジニアの自由研究活動の内容を紹介させてもらいました。

発表内容に寸評をしている代表

1回目に負けないボリュームの成果が発表され既に本番のサービスに反映されている内容もいくつかあり、今回も非常に実りのある研究活動になりました。 また、今回はオンラインで社内配信したこともあり、発表者にとっては他の職種のメンバーからの感想や拍手も貰える嬉しいイベントにもなりました。 次の研究テーマの発表予告をしているメンバーも出てきているので、次回の発表会も非常に楽しみです。以降も部活動を継続し定期的に発表の機会を作っていければと思っています。

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