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AI家計簿アプリ「ワンバンク」を開発・運営する株式会社スマートバンクの Tech Blog です。より幅広いテーマはnoteで発信中です https://note.com/smartbankinc

リサーチャーのいる開発環境ってどう?〜マーケター編〜

こんにちは!スマートバンクでUXリサーチャーをしているHarokaです。

スマートバンクでは「Think N1」というvalueのもと、あらゆる職種がリサーチデータを活用しながら日々業務にあたっています。

シリーズ最終話となる今回は、マーケチームのお二人、土屋さん村田さんに聞いてみました!

これまでの協業事例

第一回目:サーバサイドエンジニア ohbarye さん

第二回目:iOSエンジニア rockname さん

「マーケティングリサーチ」という言葉があるように、マーケターにとっては自身がリサーチを企画・設計するシーンも多く、スマートバンクではお互いの強みを生かしながら関わっています。特に、アンケート設計や事例インタビューなどがありますね。

blog.smartbank.co.jp

普段の業務でリサーチを活用する場面について教えてください!

土屋:マーケティング施策の全体戦略を考える際に新規・既存ユーザーへの調査や外部アンケートサービスを利用した調査などを定期的に行っているので、そういった機会に活用することが多いです。

新規のお客様が

  • B/43をどういったタイミングでどこで知ったかなどのチャネルやシチュエーション
  • 利用する前に期待していたことと実際使ってみて価値を感じたことに差があるのか
  • 事前に知りたかったことは何か

といった回答を集め、「初めてB/43を知り興味を持った方に正しく情報が届けられているのか」も細かく分析しています。

村田:私自身はマーケターとしてWebサイトや広告などクリエイティブの企画・制作に携わるのですが、メッセージを届けたいユーザー像の解像度を上げる時に活用することが多いです。

スマートバンクでは、リサーチャーが日々行っているN1インタビューの記録や分析結果が社内に蓄積されています。そのため、必要に応じて自分で参照することが可能です。

例えば、入社当初に次のような調査ドキュメントを参照したことで、入社1ヶ月目にもユーザー解像度を一定のレベルまで向上させることができました

ペアカードの認知、継続理由調査まとめ(Notion/Figjam)

「B/43ペアカードにおける手に取る理由と続ける理由調査」調査項目

  • 手に取る理由を生み出している対象者背景
  • どのように課題に対してアプローチしようとしたか
  • ペアカードをどのように活用しているか
  • ペアカードを使い続けるのはどういった点か
  • 現在のペアカードで顕在化している課題
  • 既存ユーザーと同じような背景を抱える未利用ユーザーの課題

また、インタビューは、B/43の使い方に関する自社と実態のギャップ把握に役立ちます。

例えば、B/43には旅行や引越し準備金など目的別にお金を分けて管理できる「ポケット」機能があります。

一部のユーザーはポケットを積極的に活用いただけているものの、インタビューでは「ポケット機能は存在することは知っているが、具体的にどのように使うのか想像できない」という声も多数ありました。そこで、サービスサイトでポケット機能の活用シーンを紹介することで普及促進策が実施されました。

ポケット機能の活用シーンを紹介するページ

このように、インタビューそのものやリサーチ結果から新しい発見を都度得られるので、今でも定期的にマーケターとしてアウトプットが凝り固まってきたと感じた時に調査ドキュメントを参照しています。

自分の職種において、ユーザー視点があることはどんな意味がある?

アンケートはリサーチャーのレビューを経て設計していく

土屋:一般的な調査票だと見えない重要なことに気付けると思います。

単なる情報を羅列して、それっぽい回答を表面的に得るのではなく、これまでのN1インタビューを元にこういった事例があったからこういう設問にしたほうがいいであったり、N1インタビューを元に発見した行動事例が本当に世間一般的な行動なのかを確かめるような設問を追加したりすることもあります。

かつては、家計管理に課題を感じていない→家計管理に課題を感じている→サービスを認知している…といった一般的なファネルを作ってそれ通りに調査票を設計していました。

しかし、実際N1インタビューで話を聞くと、そこまで家計管理に課題を感じていない人でもB/43を使いたいという方が一定いることがわかったので、フォーマットのような調査ではなく、自社にあった調査設計に変えたこともありました。

村田:マーケターとして、日々さまざまな気づきや仮説が浮かぶものですが、それが合理的かどうか、単なる思い込みに基づくアイデアではないかと不安を感じることがあります。そんな時、リサーチャーに確認を求めることで、施策の精度向上だけでなく、心理的な安定も得られることがよくあります。

また、振り返ってみると、これまでの施策立案や実行において、社内でユーザー理解を巡る対立がほとんどなかったことに気づきます。あくまで個人的な意見ですが、会社全体でユーザー視点を共有する文化が根付いていることが、施策実行におけるコミュニケーションコストの削減につながっているのかもしれませんね。

自分の職種における「Think N1」が達成されている状態ってどんなの?

インタビューから得られた発言を元にリライトしたペアカード広告紹介文

土屋:マーケティング活動における成功確率が高められている状態だと理解しています。

B/43を使っている人、まだ使っていないけれども気になっている人などの具体的なユーザー像や行動例などを把握し、そういった方に対してどのチャネルでどんなコミュニケーションを取れば、B/43の利用意向が高まるか正しく把握できていれば、施策の成功確率は非常に高くなります。

しっかり顧客を理解することで、なんとなくうまくいった施策がなくなり、再現性の高い取り組みを継続できることに繋がるので、そういった状態を常とすべきだと思っています。

村田:マーケティング活動では、効率的にリソースを活用し、時間の無駄を省いて最大限の成果を上げることが重要だと考えています。先に土屋さんが触れた「成功確率」に関連する話ですが、限られたリソースで競争するスタートアップにおいて、筋の悪い施策を候補から外すことが大切です。

この目標を達成するためには、チーム内で情報共有と連携が円滑に進み、全員が同じユーザー視点を持って業務に取り組むことが必要です。

理想的な状況に近づくためには、マーケターも施策から得た仮説やデータをリサーチャーや他の職種のメンバーに還元し、共同で取り組んでいくことが重要だと考えています。

マーケチームのお二人から見て、スマートバンクのリサーチャーってどんな動きをしている?

定例では直近のインタビュー状況などもシェア

土屋:課題を与えられて動くのではなく、リサーチャー自身がいろいろなプロジェクトに参加し、そこで自身がどういった振る舞いをすべきかといったことを考え、プロジェクトオーナーに自ら提案するという動きができているのがすごいなと思います。

N1インタビューやアンケートなどいろいろな調査をしているので、全く違うプロジェクトの定例MTGなどで、「最近他のプロジェクトでこういった事例があったので今話している課題にも共通すると思います」といったことをさらりと共有してくれたりするので非常にありがたいです。

村田:スマートバンクのリサーチャーはB/43というプロダクトの1〜2年後を写す鏡のような存在で、リサーチャーのGoogleカレンダーをみれば今スマートバンクが何に関心があるかひと目で分かります。それくらい会社の中核を担うような存在だと思います。

常に忙しくしているはずなのに、ちょっとした相談でも快く対応してくださるので、きっと影武者がいるのだろうと思っています(冗談です笑)。


お二人とも、ありがとうございました!

専門職の知見をそれぞれ活かしながら、ユーザー理解をさらに深める活動を続けていきたいですね。

最後に

スマートバンクでは、一緒に働く仲間を募集しています。 リサーチャーと一緒に「Think N1」を体現していきませんか?

マーケターと協業してユーザーへのコミュニケーションを設計するコミュニケーションデザイナーを募集しています!

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他の職種の皆様も、ぜひお話させてください!

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