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B/43を運営する株式会社スマートバンクのメンバーによるブログです

【イベントレポート】B/43プラスの開発プロセス大公開!リリース前に課題を見つける、ユーザビリティテストの活用術

こんにちは!スマートバンクでUXリサーチャーをしているHarokaです。

このブログでは、2023年12月5日にuniiリサーチアカデミーで『B/43プラスの開発プロセス大公開!リリース前に課題を見つける、ユーザビリティテストの活用術』と題して登壇した内容をお届けします。

unii-research.connpass.com

登壇させていただいたユニーリサーチ様のサービス紹介はこちらです。 (インタビューやユーザビリティテストのお相手が簡単に見つかるプラットフォームです!)

unii-research.com

今回取り上げるサービス「B/43プラス」

本登壇の題材はB/43プラス。B/43のメンバーシッププランです。 「お金を通して、未来を照らす」というコンセプトで家計管理を自分好みに、ライフスタイルに合わせてやりやすくできる機能群を提供しています!

b43.jp

これまで、多くのリサーチを重ねる中で、支出管理に関する課題を多くお聞きし、私どもができる解決方法の一つとして、メンバーシッププランの提供を検討するに至りました。

そこで今回リリースしたのがB/43プラス。

ご要望の多かったブラックカードなど、限定カードを提供しています。

日々の生活シーンで役立つ複数の機能をセットにして、月額制で提供しています。

従来の家計簿機能では叶えられなかった、「自分の生活スタイルに合わせて無理なく管理できる」ことをサポートするラインナップになっています。

例えば、二人の間で「もう少ししたら猫を飼いたいね」という話から生まれた猫お迎え積立😺

また、衝動買いを把握するために、外食を家族で食べたのか、自分一人で食べたのかをオリジナルカテゴリで分けておき、「自分一人で食べた回数が多いから控えよう」とモニタリングするカテゴリのカスタマイズ🍽️

具体的な方法はこちらの記事もぜひ合わせてお読みください。

b43.jp

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ユーザーリサーチを通じてB/43プラスの機能を作ってきた

これらの機能は、すべてユーザーリサーチを通じて作ってきました。

機能決定まで、アンケートやインタビューなどを行いましたが、今回ご紹介するのは、リリース3週間前から行ったユーザビリティテストです。

B/43プラスのユーザビリティテスト

ユーザビリティ上のクリティカルな課題がある場合、リリース前に修正したり、場合によってはリリース時期を遅らせる決断をせねばなりません。

そのため、このテストには、リサーチャーを中心に、実作業に関わるPM、デザイナー、アプリエンジニアの4名体制で臨みました。

実施期間はリリース3週間前。

この時、全機能のうち、一部の実装が終わっていなかったことと、その機能が実際のデータを流し込まないと使うイメージが湧きづらいだろうという判断で、すでに実装が終わっているものを先にテストするようにしました。

実装がすべて完了したら社員が5日ほど日常遣いする中での気づきを開発メンバーに随時伝えてもらう方法にしました。

締切に合わせる形で、効果的なテストができるように柔軟に組んでいます

前半のオフィス実機操作のテスト環境はこんなふうに整備しています。

手元の操作の様子と顔の表情がわかるように、二つのカメラを用意しています。 書画カメラを使うケースもありますが、オフィスにあった三脚などを利用し、低予算で仕上げたのがスタートアップらしいところですね。

これらの様子は、記録のためZoomに同時中継し、録音します。

ユーザビリティテストは、リサーチャー単独ではなく、他職種と分担しながら進行していきます。情報共有をリアルタイムで行いながら、対応すべき事項の認識を揃える狙いがあります。

実際の進行フローはこんな感じです。設計時にはPMと一緒に、どういった点をテストで拾えると良さそうかを一緒に確認します。

スケジュールへの落とし込みはPM、テスト設計はリサーチャーが主体ですが、ほぼ同時に会話しながら進んでいます。

設計時、必要な提示物、データの準備が必要になるので、デザイナー、アプリエンジニアとも連携します。

この際、設計書とシナリオを一緒に確認し、どのシーンでどんな提示物を出すか、どう操作してもらうかをできる限り具体的に伝えます。

実査は、全員が同席します。

オフィスで実機を使うものだったので、私がモデレーターをする横にデザイナーまたはエンジニアに同席してもらい、もしもの機材トラブルがある時に備えて待機してもらいました。

操作内容を全員でリアルタイムに観察することで、その後のテスト内容の振り返りでも議論しやすくしています。

録画を共有したり、後日振り返りをするとその時に感じた気づきが出にくいため、都度話すスタイルが適していると感じます。

こうすることで、分析のフェーズでは、対応事項の目線合わせと、いつまでに誰がやるか、できそうかといった具体的な話がメインになっています。

実査進行中に用意するドキュメント

実査の際には、画面全てを貼り付けたFigjamを用意します。

操作の様子を観察し、発話内容を画面ごとに記録します。

先ほどのFigjamを、ユーザビリティ上の課題を管理するNotionのデータベースから参照できるようにしておきます。

そして、修正ポイントを洗い出し、ToDoに落とし込めるようにします。

修正方針検討の際には、ユーザー視点では問題の質、発生頻度を中心に見ていますが、実装工数など実現可能かどうか?も合わせて検討を進めています。

ちなみに、このデータベースは、アプリエンジニアがQA時に気づいた修正ポイントを記載するのに使っていたものです。

データベースを一つに統一することで、エンジニアが参照しやすく、ひとつづきの業務として対応していきやすくなります。

スピーディに開発に繋げるための運営Tips

チームで取り組む狙いは、リサーチ結果を素早く実装に繋げることです。リサーチャーだけがテストに関わっていたら、情報を整理し、共有する時間が必要になりますが、チームで一緒に進めることで実査期間が終わるタイミングで課題の洗い出しが終わっている状態まで持っていけるのです。

Tipsは三つあります。

  1. リリース前は、UIの細かな変更もあるし、実装完了がどこまでかなど日々情報がアップデートされることもしばしばあります。実査の流れはリサーチャーだけではなく、全員が把握できるようシナリオを読み合わせする時間を取ることをお勧めします。

  2. 設計と同じくらい、環境設定が大事です。途中で充電が切れないか/音声を拾えるか、クリアに聞こえるか/画面の見え方は問題ないかをチェックしておきましょう。

広報、カスタマーサポートなど他職種メンバーも同席。ユーザー情報のインプット機会となっています。

  1. 対応者であるエンジニアと連携しやすいよう、Figjamとリンクし、具体的にどの箇所についての言及か、前後にどんなユーザーの発言があったかを見られるようにしておくと依頼背景がわかりやすく、どういった対応がベストか一緒に考えられるようになります。

リサーチ結果を「実装」に繋げ、チームで取り組む

ここまで、B/43プラスをテーマにしたユーザビリティテストの実例をご紹介してきました。

テストを設計する上で自分が意識したのは、リサーチ結果を「実装」に確実に繋げることです。

この場合、情報共有が成されていること、対応要否、対応内容、修正担当がクリアになっていることが大事になります。

これらを行動に移すためには、セットにしてデータベースに振り分けていきます。課題を洗い出し、優先順位をつけやすくすること、実装できるよう落とし込むところまで仕組みを作っておけば、スケジュールが限られた中でもクイックに実装に繋げられると思っています。

少しでもみなさまのチームでのユーザビリティテスト運営のヒントになりましたら幸いです。


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