こんにちは!スマートバンクでUXリサーチャーをしているHarokaです。
このブログでは、2024年3月13日に実施された、Figma Japan 株式会社 2周年記念イベント「The ways we work」の登壇内容を抜粋・書き起こし形式でお届けします。
イベントのテーマは、職種横断(クロスファンクショナル)。 スマートバンクにおいては、リサーチの準備や分析、アイディア出し、その他デザイナーと画面へのフィードバックやチーム運営など、あらゆるところでFigJamを活用しています。
スマートバンクで、職種横断的に進めるリサーチプロジェクトを中心にご紹介しています!
SmartBankのFigmaの使いどころ
B/43のUIは、Figmaで作られています。
Figmaが止まってしまったらデザイナーが仕事できなくなるほど、業務に根付いたツールになっています。
FigJamについても、もともとデザイナーがメインで使っていたものから派生して、非デザイナーでも使うようになりました。
例えば、これはBizDevのメンバーが作った、新規事業開発の時の流れを示す図です。
非デザイナーであっても直感的に使える、自分が伝えたいことを情報整理して伝えられることで、何か視覚的に表現したいと思い立ったらFigJamを開いて整理する、といった流れが生まれています。
SmartBankのディレクトリの一部をご紹介します。
左側がアイディアを書くスペース(SandBox)。人ごとに作られています。
真ん中は、コミュニケーションデザイナーとマーケターが要件定義したり、キャンペーンの画像を作ったり、やり取りを行うページになっています。
右はデザイントークンといったように、メンバー全員が使えて、閲覧したり各々作ったりしているのがわかると思います。
元々アイディアのブレストやロードマップなど、対面で顔を合わせてホワイトボードに書いてやっていた行為が、今は全てFigJamに置き換わっています。
スマートバンクでは、オフィスに勤務して議論することもありますが、議論の結果が残せたり、その場に参加していない人が意思決定の流れを追えるように、FigJamに記録しています。
FigJamを起点に議論が活発に行われたり、コミュニケーションが発生していると言えるでしょう。
リサーチ活動におけるFigJam活用事例
さて、ここからはスマートバンクにおける、FigJam活用事例をご紹介します。
リサーチ活動においては
- 調査活動
- ドキュメント整備
- チーム活動
この、主に3つでFigJamを活用しています。
メンバー全員が使えて、FigJamを起点にコミュニケーションが発生している状況の流れを生かすかたちで、ユーザー理解も進められると良さそうだと感じ、ツール選定しました。
1. 調査活動
調査活動で使っている事例として、メンバーシッププラン B/43プラスの機能開発をご紹介します。
B/43初めてのサブスクプランとして、複数の機能をパッケージングする形で商品設計を試みました。
すでにご要望いただいていた内容も踏まえ、どの機能がいいか、まずはアンケート調査で量的に把握し、その上で機能群を絞っていく方法を取りました。
この調査では、PM、デザイナー、リサーチャーの3名が中心となって動いています。
調査としては、アンケート、インタビュー、ユーザビリティテストを実施しました。
特にFigJamを活用したのがインタビュー、ユーザビリティテストです。
機能群は、このような形でまとめ、ユーザーにお見せしました。
機能イメージを見てもらいながら評価してもらうインタビューで、デザイナーにUIを作ってもらい、それをFigJamで構成しています。
実際の機能イメージを示すことによって、ユーザーから印象や利用イメージをより具体的にお聞きすることができるようになります。
この時、全部で9種類ほどの機能を聞いたのですが、対象者から発言があったものについて、このように発話内容を切片化して記録していきます。
インタビューが終わったら作るようにしていて、今時点でどの機能にどんな話が寄せられているか、一目でわかるようにしています。
複数の対象者から寄せられたら付箋の数が増えますので、発話内容・量ともに把握しやすく、リサーチプロジェクトに関わるメンバーとコミュニケーションが取りやすくなっています。
リリース前には、ユーザビリティテストを実施しました。
今お見せしているのが、結果を記すシートなのですが、画面ごとにユーザビリティ上の課題、効果、効率、満足度の主な3つを考慮して付箋を色分けして記載しています。
このまとめ方をすることで、特に、デザイナー、エンジニアとコミュニケーションが取りやすくなります。
どの画面について、どんなユーザビリティ上の課題があるのか。課題をNotionのデータベースに書き留めておき、FigJamの付箋に該当するイシューのリンクを貼っておくと、修正作業をするときの参照元として機能させています。
実査時のみならず、実査の運用でもFigJamを使っています。
プロジェクト開始時、実際のスケジュールと合わせた動き方の目線合わせを行うための資料です。
ユーザビリティテストでは、アプリエンジニアもコアメンバーとして関わります。これらの職種がいつのタイミングでどう関わっていくのか、役割分担をわかりやすく示す際にもFigJamが一役買っています。テキスト情報だと、全体の流れが伝わりにくいので、流れをイメージしやすいように視覚化しています。
2. ドキュメント整備
リサーチプロジェクトが終わった後、今お見せしているような形式で調査概要と調査結果をまとめています。
左側に調査概要、右側に結果を書くことでリサーチプロジェクトの全体像がひと目見てわかるようになっています。この調査がどういう背景で行われ、何が得られたかを掴みやすくするのが目的です。
調査結果の横には、対象者の発話を置いています。FigJamでは、情報をサマライズし、全体像が掴みやすい状態にできるので、リサーチプロジェクトが終わった後の振り返りや、途中からジョインしたプロジェクトメンバーに共有する時にとても適しています。
FigJamの結果を見て興味が湧いたら、真横にNotionの発話録リンクを貼っておくようにし、個別の発話録や意思決定に至ったドキュメントなどにアクセスできるようにしています。
FigJamで全体像を掴み、Notionでより細かく深く知るよう情報の流れを設計しています。
テキスト情報だけがずらっと並んでいる状態でも良いのですが、「読みやすさ」「手軽さ」が失われるような気がします。
ユーザー理解が身近にあり、あまり力を使わなくても目に入ってくる状態にしたい、そう思ってFigJamにその役割を担ってもらっています。
「見たい」と思ってもらえるドキュメントにするために、FigJamでの視覚化は欠かせません。
3. チーム活動
3つ目、チーム活動の一環として、社内メンバーに向けて、スマートバンクのリサーチで大事にしていることやリサーチチームの動き方を言語化しました。
のちにResearch Culture Bookとして社外公開もしています。
その際、よく寄せられる質問はこちらでした。
「リサーチプロジェクトの時、いつからどう相談したらいい?どんなことをするの?」 口頭で説明する際に、何か視覚的にサポートできる図があるとよかろう、ということで
こういった形で、リサーチプロジェクトでどの職種メンバーといつどう関わるのか、イメージを掴んでもらいやすくしました。
この図もすぐ完成形になったわけではなく、実際に現場で聞かれた質問や話した内容などを踏まえてチームでディスカッションしながらプロトタイプを作り、調整してきました。
その際の議論について、会話した内容がリアルタイムで視覚化する、構造化することで今どこまで議論が進んだか、残りで話し合わないといけないことは何かなどの認識が合いやすくなります。
このようなチーム内議論ができる場所としてFigJamを使っています。
FigJamは、とても広い模造紙のようなもので、好きなところに好きなものを置くことはできますが、どこに何があるかわからない状態になってしまいます。
そのため、ファイルの中で、年度で分ける・カテゴリで分けるなど配置を工夫しています。
ほか、リサーチチームのKPTやロードマップなど、チーム運営に関わるものを一つのFigJamファイルで運用しています。
チームがどんなミッションを持っていて何を今取り組んでいるのか、といった周辺情報がわかります。
関連するものを一緒に置ける良さが、インプットの精度を高めることにもつながっているように感じています。
ここまで、スマートバンクのリサーチ活動を中心に、具体的な活用事例をお伝えしてきました。振り返ってみると、誰もがユーザー情報を追いやすく、経緯を知れることで、ユーザーを主語にして事業推進をすることができるベースをFigJamが作ってくれているとも言えます。 これからも、もっとユーザーに近づいて大きな価値を届けられるようになりたい、そう思っています。
調査結果まとめテンプレート公開
発表の中でご紹介した調査結果まとめテンプレートは、今回Figmaイベント登壇させていただいた記念として、公開することにしました。
インタビューのまとめを振り返りやすく、未来のメンバーにも伝えやすくするための一つのアプローチとしてお使いください。
最後に
リサーチャーと一緒に働くメンバーを募集しています! カジュアル面談も受け付けていますので、お気軽にご応募ください!