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B/43を運営する株式会社スマートバンクのメンバーによるブログです

2人目のリサーチャーを信頼してもらうために取り組んだこと

こんにちは!スマートバンクでUXリサーチャーをしているHarokaです。

スマートバンクでは、2024年4月に2人目のUXリサーチャーをお迎えすることになりました。

素敵なご縁に恵まれたのですが、受け入れ側としてどういった準備があれば安心か、意識したことは何かなどを整理し、ご紹介します。

UXリサーチャーとして1人で活動し、今後別の強力なパートナーを迎えることになった方の参考になれば嬉しいです。

応募を開始した背景

 スマートバンクでは、2023年7月にB/43プラスをリリースしました。以降も、新機能の開発や新たな事業領域の探索などに継続的に取り組んでいます。チーム体制としても、プロジェクトが複数になり、UXリサーチャーとしてカウンターパートとして入る場面が増えてきました。同時期に複数のプロジェクトを兼務するスタイルでこれまでも活動していましたが、1人で入るには工数が不足してしまう懸念が出始めました。

また、事業上は不確実性の高い領域のリサーチの優先度が高まりつつ、プロダクト開発の現場でも継続的にリサーチャー主導でリサーチを実施していけるチーム体制にしていきたい、ということで満を持して2人目のUXリサーチャー職を募集することに。

 元々私が入社した2022年当時から、組織の人数が増え、事業上取り組むことが増えてくると自ずとUXリサーチャーの採用機運が高まるだろうと思っていました。そのため、2022年のリサーチカンファレンス登壇を皮切りに、できるだけ発信活動を続け、多くの方にスマートバンクでのリサーチ活動について知ってもらおうと思いました。

 リサーチ活動について、「リサーチはリサーチャーのためだけのものではない」という核となるメッセージに辿り着き、Research Culture Bookというかたちで整理して公開しました。

 公開した内容そのものが、スマートバンクのリサーチ活動を具体的にイメージできるものになっており、内容やチームのミッションに強く共感し、一緒に潮流を作っていきたいと考えるメンバーに出会えることを期待してコンテンツを磨いていきました。

 Research Culture Bookを公開して数日後、複数のお問い合わせをいただきましたが、その中でこれまでもスマートバンクの活動をずっと追いかけ続けてくれ、所属組織で実践し続けてくれていたmaayaさんの目に留まり、晴れて入社してもらえることとなりました。

1人から2人になった時に考慮すべきこと

 入社が決まってから、これまで自分が主導してきたリサーチ活動を、どういったかたちに育てていけば良いだろうかと考えを深めました。

これまでは1人で全て行っていたことで、情報が一元管理されるアクセスのしやすさや、横断的な振る舞いでのよさ(プロジェクトAにもBにも入っているから、情報共有しやすい)がありました。

チームで動く場合もこれらの良さを残したいーー人数が増えたとしても同様の状態が担保されること、人数が増えたからこそデータベースのメンテナンスなど行き届いてなかったところに着手するなど、アップデートしていけるのが理想だろうと考えました。

考慮すべき事項として、3つ挙げてみます。

情報共有

弊社では、CSチームの取り組みをお手本にしました。1人から複数名に増えてもコミュニケーションがうまく行っていたこと、ドキュメント整備が整っていることから、成功事例から学ぼう!とCSメンバーにヒアリングしました。

教わって作ったのが「リサーチチームの歩き方」ドキュメントです。上から順に、事業理解、組織理解の全容が掴めるようになっています。

CSメンバーから教わったもののうち、いくつかをご紹介すると……

  • コミュニケーションについてのグランドルールを明記する
    • 例)稼働時間帯以外でもメンションをつけて連絡してOK/不在時はGoogleカレンダーに反映しておく
  • 週ごとのスケジュールなど定期予定を視覚化
  • 業務上よく使うページのブックマークを保存、インストールしてもらうようにする

特に、コミュニケーションについて、わからないことがあったらすぐ聞いて良い(抱え込んで自分で解決しなくて良い)とか、オープンチャンネルを積極的に使うなどややもすれば「様子を見て推し量る」振る舞いになるものを無くすのが良さそうでした。

会社について知ってもらい、そこで快適に過ごせる振る舞いについても明文化することを意識して内容をオンボーディングドキュメントを整理しました。

また、1人でやっていたからこそ、私にとっては当たり前になっている部分があるはずです。私だけが行っていたリサーチ関連のタスクの洗い出しと役割分担など、暗黙知になっていそうなところをリストアップしていきました。

 とはいえ、実際は事前のリストアップだと足りず、入社されてから「ここも整備しておく必要があったか〜!😨」と教えてもらうことが多かったです。事前に準備するのももちろん大事ですが、今何に困っていそうか、何がわからないかを随時拾える時間を設けておくほうが効果的でした。次項のキャッチアップに続きます。

キャッチアップ

maaya sanから入社前に来た質問一覧(気合い感じる)

 maayaさんと入社前にやり取りする中で、「即戦力になれるかどうか」を不安に感じておられるように思いました。

彼女にとっては、業界が異なるところに転職する大きなチャレンジです。また、UXリサーチャーの専任としてのキャリアもスマートバンクが初めてになります。OJTで学んでもらうことが多くなりそうではあるものの、入社してからのちょっとした不安やお困りごとが潰せるとよかろう、と毎日30分のコミュニケーションタイムを設けました。

何かあったら報告してもらうのではなく、仕組みとして話す時間を設けることでわからなさをキャッチアップしやすくなりました。2人でどんな話ができていると安心か考えてTopicを決めて、それに沿って事前に議事録を記入するようにしました。

業務に関連した話題になった場合は、ドキュメントをリファレンスする、関係メンバーを紹介するなど、事業や組織の理解を深める上で派生したコミュニケーションに繋げていけたのもよかったなと振り返っています。

毎朝話したい話題をお互い書いて臨む1on1

maayaさんが毎日わからないことをしっかり言語化して書いてくださるので、その質問に答える形になることが多かったのですが、よくできたところ、もっと一緒にこうしたいと思うところなど幅広く会話できたような印象です。

入社月は、オフィスに出勤して対面で合うタイミングを増やし、ランチ時間を使ってパーソナルな話や、これまでどういった想いでリサーチと向き合ってきたかなど、リサーチに関するマインド面などを多く話すようにしました。これまでの関係値はあるものの、Harokaと一緒に働いてリサーチ文化を推進していきたいとmaaya sanに思ってもらえるよう、信頼してもらえるように振る舞いたいと思っていました。

とても小さなことかもしれませんが、感謝の気持ちやよかったポイントなどは具体的に伝えることも心がけました。

余談ですが、最近私はおやつを控えており、砂糖が含まれている間食をしないようにしているのですが、maaya sanはかれこれ10年くらい砂糖断ちしている(!!)と判明しました。その話の後、オフィスで会った時にドライフルーツのおやつをわざわざ探して差し入れてくれ、ホスピタリティ半端ない…😭とめちゃくちゃ感動しました。to youの振る舞いがリサーチャーには大事だと思っているので、改めてその大切さを教わった気分です。どんなことに興味があって、何を楽しいと思っていそうかなども知れる時間をこれからも大事にしたいと思います。

リサーチチームとしてのバリューの発揮方法

 私としては、たとえ役割上の上下関係があったとしても、私から伝えることが全て正しい訳では無い、ぜひどんなことでも気づきを知らせてほしいと伝えました。

 そのため、業務を引き継ぐ際に、自分のこれまでやってきたことを踏襲してほしいといったかたちではあえて伝えませんでした。「こうなっていたい」という達成状態と、「本当はこうしたいんだけど、なかなか上手くいかなかった」といった内容をセットで話すように気をつけました。

 maayaさんがこれまでの活動に対して理解があり、Harokaがやってきたことを大事にしたい、という思いがあるとわかっていました。私自身の発言の影響力が強いことを自覚していたので、あえて「私がやってきたことはベストではない、道なかばである」という話し方にしました。

 もちろん、急になんでも実施していいよ!というコミュニケーションだとかえって迷ってしまうので、一旦は自分がやってきたことをToDoベースで伝えるようにしました。その上で、実際に型をなぞってみて、違和感のある部分を伝えてもらえるようにし、チームでもっとより良い形に実現できるようにしていけるようにコミュニケーションを取りました。

スマートバンクのリサーチ文化を色濃くできる人材としてmaaya sanに入ってもらいました。だから、必ずしも私と同じアプローチでなくて良いと思っています。ゴールの認識が合っていれば、その人なりの得意領域を活かしながら進めることができると信じています。

「2人目の重圧」をどうケアするか

 この「2人目の重圧」について、入社前から懸念しており、2人目だからこそ感じるであろうプレッシャーについて思いを馳せ、できる限りその方らしく活躍できるような環境を整備したいと思いました。また、工数を分担する相手みたいな見え方は是が非でも避けたいと思っていました。

 私と違った良さがあるmaaya sanの良いところをメンバーに見つけてもらうため何か方法はないかと考えを巡らせた時、maaya sanご自身のことを、社内メンバーに知ってもらう機会を増やすことが、メンバーから信頼してもらうチャンスを増やすことにつながると感じました。

 リサーチチームといえば、2人で活動していて、maaya sanはこんなキャラクターで、こういうところが強みだよね!とわかってもらう素地を作るため、maaya sanにいくつか提案をしました。

  • 各プロジェクトのオーナーと1on1してくること
  • その学びを全社に展開すること

 良いリサーチには、事業理解と、組織にいるメンバーの理解が不可欠です。

特に、組織にいるメンバーについてはコミュニケーションの総量がものを言うため、積極的に話しかける/話しかけられるようにできると良さそうだと感じました。

幸い、スマートバンクにはだれでも1on1(通称だれ1)という制度があり、職種問わず自由に1on1ができる仕組みがあります。オンボーディング期間に、その仕組みを使って話しかけることを提案し、各メンバーへの案内は私の方で調整を行いました。

 スマートバンクには、全社的にBe Openというバリューが浸透しており、様々なものがドキュメント化されたり、オープンチャンネルで会話されています(とても好きな文化です)。

 また、社内向けブログを全社向けのチャンネルで公開する仕組みがあり、今回1on1してみた気づきや学びをドキュメントにまとめて社内展開すると良いのでは?とも提案しました。

 あのブログ面白かったよ!とかまた同じように1on1させてください!など組織メンバーとコミュニケーションできる接点が増えるといいなと思ったからです。

 実際に聞いた内容については、maaya sanの入社エントリでも紹介していただいているので、よろしければお読みください! blog.smartbank.co.jp

私自身の振る舞いとしては、何かチーム運営について提案してもらったとか、初めてインタビューを実施したなどポジティブなニュースがあれば、「maaya san頑張っているよ!チーム活動が良くなっているよ!」といった情報を合わせて積極的に共有するようにしました。

ちょうど、入社して半月と一ヶ月のタイミングでオンボーディングの振り返りをしていたのですが、姿勢や気づき、会社のバリューを発揮できていたところを社内広報するようにしました。

maaya sanの入社エントリに寄せられた社内のお言葉💐

これからも、良いところを見つけて社内に伝えていきたいなと思いましたし、自分もmaaya sanの頑張りを良いかたちでチームの総力に変えていけるようにしたいと思っています。

最後に

私たち2人は、2024/05/18(土)に実施されるリサーチカンファレンスのポスターセッションに参加します!当日お会いできる方にはB/43グッズのプレゼントがあるかも……?ぜひお声がけください!

初のポスター作成に試行錯誤...当日に乞うご期待!

researchconf.jp

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