こんにちは!スマートバンクでUXリサーチャーをしているHarokaです。
スマートバンクではリサーチャーが調査活動のみならず、他職種の業務をユーザー視点の提供というかたちでサポートしながら二人三脚で進めています。
↓デザイナーとの協業事例はこちら
今回は広報との協業事例についてご紹介したいと思います!
取り上げるのは、2022年11月8日「いいパートナーシップの日」に合わせて行った一連の広報活動です。
11月8日 #いいパートナーの日 に合わせて実施したB/43の調査リリースを『広報会議』でお取り上げいただきました!🙌
— りんゆう | フリーランス広報 (@yu_hayashi107) 2022年12月28日
調査を情報発信に活かしているお手本事例として菅原さん( @diisuket )にご紹介いただいております!
菅原さん、ありがとうございました💫 pic.twitter.com/fHxxu7b4gg
広報を担当した、りんゆう(@yu_hayashi107)さんと一緒に、スマートバンク初の調査リリースを振り返っていきます。
「いいパートナーシップの日」の取り組み
——改めて、調査リリースを出した「いいパートナーシップの日」の取り組みとは?
りんゆう:「いいパートナーシップの日」とは、多様なパートナーとのあり方が受け入れられるようになってきた時代の中で、パートナーと向き合い、お互いに感謝を伝え合う日です。「いい(11)パ(8)ートナーシップ」の語呂合わせから11月8日に制定されました。
スマートバンクでは「Think N1」というバリューがあり、日頃からユーザーインタビューを定常的に行い、リアルな声に耳を傾けたサービスづくりを行っています。広報チーム主導施策の中にも「B/43 ペアカード」ユーザーへのインタビュー企画があります。その中で、B/43をつかうことで機能的な価値を感じてもらっていることの他に、「ふたりの仲がよくなった」という話がよく上がっていました。
そこで、「パートナーとの関係性を良くするにはお互いの情報共有を積極的に実施することがポイントになる」という仮説を立て、その仮説を検証し調査リリースとして発表することに。
注目してもらえるタイミングで調査リリースを発表したいと考え、「いいパートナーシップの日」にターゲットを定めることにしました。
【「いいパートナーシップの日」施策概要】
- 11月2日 調査リリース掲出
- 11月8日 特設サイトOPEN
- 「あなたにとって、いいパートナーとは?」さまざまなペアへのインタビュー実施・公開
- 「#パートナーのいいところ」Twitterキャンペーン
- 調査リリース再掲
結果、Forbes Japanやマイナビウーマンなどで取り上げていただき、SNS上でも反響をいただくことができました。
リサーチャーが持つ”回答者視点”により、理想の調査リリースへ
——今回の取り組みでは、どのようにリサーチャーと協業していきましたか?
りんゆう:実際に調査リリースを掲出するまでは、下記のような流れで動いていきました。
【企画から調査リリース掲出までの流れ】
今回実施してみて感じた、調査リリースにおける大事なポイントは大きく3つ。
①伝えたいメッセージの設定 ②設問の設計 ③収集結果の見せ方
それぞれみていきたいと思います。
①伝えたいメッセージの設定
調査リリースに取り組みたいという話が出たものの、広報チームだけではどのように進めていけばいいかがわからず、リサーチャーに協力依頼をしました。最初のMTGで、調査に要するスケジュール感と、「そもそも今回の調査リリースで発信したいメッセージは何か」を設定することの必要性をアドバイスしてもらいました。
なんとなくこんな感じのことが言いたい、という粒度ではなく、解像度を上げたメッセージを最初に設定したことで、つづく「設問の設計」の指針ができあがりました。
②設問の設計
伝えたいメッセージに到達するためには、どのような設問にしたらいいか。
まず、広報担当で草案を作成し、リサーチャーにチェックしてもらうかたちで進めました。設問の意図も伝えた上で、「これは回答しづらいので、選択式にしましょう」「この聞き方だと伝わらないので、この言い回しが良いのでは」「回答数が多いので、回答者の負担が大きく離脱する可能性がありそう」などのアドバイスを細かくいれてもらいました。
日頃からユーザーと対話をするリサーチャーが持つ”回答者視点”によって、設問が格段にブラッシュアップされていきました。ここでのチェックの有無によって、回答者数への影響や回答自体の質を大きく左右していたと思います。
③収集結果の見せ方
収集したアンケート結果が出る前に、アウトプットとして言いたいことを想定しておきました。そこと照らし合わせてみて、想定通り言えるそうなこと、あてはまらなそうなことを整理し、改めて、リリースに掲載するアウトプット項目を確定させました。そのうえで、このデータをどう見せるとより伝わりやすくなるか、をデザイナーと相談して、クリエイティブを作成してもらいました。
3つのポイントの中で、特にリサーチャーと①②部分を強く連携したことで、理想としていた調査リリースを出すことができたと思います。お金も時間もかかるため何度も何度もアンケートを実施するわけにはいきません。いかに一発で伝えたいメッセージにたどり着くように設問を設計していくかが非常に重要だったと感じます。
リサーチャーと協業することで実現できた良さ
まず、リサーチャーがいたことで、最初の全体像を描けたことがすごく良かったです。広報チームだけでは、地図を持たずに目的地を目指すことになっていたと思います。リサーチャーがいたことで、やみくもに進んでいく、ということを回避することができました。
また、最終的に伝えたいメッセージにつながる回答を集めたくても、誘導するような設問になってはいけません。そこのバランスを考えた設問設計へブラッシュアップしてもらえたのは、すごく良かったです。リサーチャーの”回答者視点”が加わることの重要性を強く感じます。
通常、調査リリースを出したいと考えた時、調査会社に依頼することが多いと思います。
どうしても社内の人ではないため、サービスや日頃のユーザー理解がないままに設問を設計していくことになってしまいます。それに伴い、スピードが落ちてしまったり、ユーザー目線でのアドバイスがもらいにくいこともあると思います。今回は、社内にリサーチャーがいて連携できる体制があったので、スピーディかつクオリティ高い調査を実施することができました。
広報観点でみる、リサーチャーが"社内"にいることで生まれる強さ
——普段、広報業務をする上で、リサーチャーの知見があることをどのように感じますか?
りんゆう:情報発信をしていく上で、会社やサービスに関わるさまざまな情報を収集することは、当たり前レベルで重要なこと。ただ、多方面的にみていく必要があるがゆえに、どうしてもひとつの情報をひとりで深く理解することには限界があります。特に、ユーザーの情報は膨大にあります。そんな中で、リサーチャーという専門家が”社内”にいてくれることの心強さを感じます。
リサーチャーの知見があることのメリットは、大きく3つあると思います。
まずは、広報企画に活かせる、ということ。
「いいパートナーシップの日」もそうでしたが、最初の企画立てのきっかけになったのは、ユーザーインタビューを通して見つかった「B/43によって、ふたりの仲がよくなった」こと。そこから仮説を立てて、調査リリースとして伝えたいメッセージを固めていきましたが、日頃から、リサーチャーがユーザーと向き合って、ユーザー情報をシェアしてくれていなかったら、確信が持てず企画が進んでいなかったかもしれません。
つづいて、メディアへの情報共有時に活かせる、ということ。
やはり、日頃からリサーチャーがユーザー理解をしてくれているおかげで、突発的な取材でも、タイムリーでリアルな声を伝えることができます。メディアに対して、いかに早く正確な情報を伝えられるか。リサーチャーがいることの心強さを実感します。
最後は、広報担当者自身がユーザーの生の声に耳を傾ける機会がつくれる、ということ。
ユーザー理解が大事、と頭では理解していても、なかなか生の声を聞く機会をひとりでつくっていくのは難しいところもあります。冒頭でお話した、広報チーム主導の「B/43 ペアカード」ユーザーへのインタビュー企画では、設計にがっつりリサーチャーに関わってもらい、発信していきたい内容とユーザーの回答とのバランスをとってもらいました。広報担当者も生の声にふれる機会がつくられたことで、体感値としてのユーザー理解が促進されたように思います。
リサーチャー視点で考える、広報部門との連携のメリット
Haroka:りんさんとは、「B/43ふたり暮らし」を通じて二人三脚で企画を進めていたこともあり、今回の調査リリースの素案を見たときにインタビューでお聞きしてきたユーザーさんの息遣いが感じられるものでした。この素案の段階でユーザーの実情と離れている場合、調査リリースの成功は見込めなかったのではないかと考えています。
たとえリサーチャーという職種じゃなかったとしても、ユーザーさんがどのような生活をしていて、どういった情報を届けたらよりユーザーさんの生活が豊かになるか考えることが日常的にあるのではないでしょうか。
特に、広報は、自社の取り組みを知っていただく活動を担います。
より良いブランディングやコミュニケーションにおいて、相手のことを知るのは必要不可欠だと感じます。自分たちの伝えたい想いだけが先行してしまうと綿密に立てて実行した広報プランがうまく機能しなくなるかもしれません。
広報メンバーが、ユーザーさんの日々の生活に目を向け、どういった課題を抱えていそうかなどを知る上で、複数回のインタビューへの同席が良い働きかけをしたのかなと振り返っています。
これからも、リサーチャーとして、他職種とコラボレーションしやすい環境作りや、ユーザー視点を意識した関わりを続けていきます!
ご案内
広報、リサーチが二人三脚で取材を行っている、B/43ユーザーのペアカード活用事例はこちらからご覧いただけます。 取材も随時募集していますので、ぜひエピソードをお聞かせください。 b43.jp
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