スマートバンクへの想いを語る前に、自己紹介
初めましての方も、そうでない方もこんにちは!スマートバンクの下河原です。現在はコーポーレート本部のマネージャーをしながら、メインミッションの財務戦略を中心に、日々少しでも会社に貢献しようと頑張っています。
2023年7月にスマートバンクに入社して3ヶ月経ちますが、本当に素晴らしい会社・素晴らしい組織だと日々感じています。仕事にも慣れて、会社や同僚のいいところも深く見えてきた中で、改めてスマートバンクに入社した理由について幅広く知っていただきたいなと思い、入社エントリを書いています。
スマートバンクに入社した理由は、私がキャリアを築いてきた上で大事にしたことを充足してくれる会社だと思ったからであり、そこを振り返るために学生時代まで遡ってお話させていただきます。多分長くなりますが、「長いけど、全部読んでみたら面白かったな」と思ってもらえるように頑張ります!
また、正直に申し上げます。面接を受ける前、「B/43のサービスって、どういう層の社会課題を解決してるんだろう」が私には分かりませんでした。面接や業務を通じて、今はB/43の存在価値を非常に強く実感しているわけですが、もしB/43の提供価値について知りたい!という方がいれば、読んでいただけると幸いです!
これまでのキャリアについて:導入
学生時代にまで話を一旦戻します。なぜ学生時代にまで戻すかというと、キャリアを振り返った時に2点大事なことに気づいたからです。 1つ目は「周囲の人は自分が想像している以上に自分を理解してくれていて、アドバイスは真摯に受け止めた方がいい」ということ。 2つ目は「キャリアは自分で作るのではなく、人に作ってもらうもの。ただ、人に作ってもらえるかどうかは、自分の努力次第」ということ。 なぜそう思うのかについて最後話すために、少し長めに時を遡ります。
これまでのキャリアについて:学生時代〜UBS時代
学生時代、元々弁護士になろうと思っていた私は、大学3年生まで弁護士になるルートに乗っていました。サマーインターンも就活もする予定はなかったのですが、両親に「世間一般の人は就職活動を経験するのだから、弁護士になるにしても就活はやったほうがいい」と言われ、非常に素直な青年だった私は「両親が言うならそうなのか」と就職活動をするに至りました。 株式投資サークルという(大真面目な)サークルに所属していた当時、「法曹以外に面白いのはお金の世界だな」と、いくつか外資系金融の会社を受けていました。そして、偶然UBS証券の債券営業チームが私のことを評価してくださり、内定をいただいたのが金融業界に進むきっかけとなりました。
その後紆余曲折あり社会人2年目の終わりにゴールドマン・サックスに転職したのですが、その転職活動期間中における一つの体験を今でも思い出します。 ある外資系コンサルのパートナー面談で、最後に「どこから内定貰ってるの?」と聞かれた私。素直に「ゴールドマン・サックスからの内定があるが、コンサル業界に興味があるので非常に悩んでいます」と打ち明けました。面接においては非常にありきたりな質問と回答ですが、驚くべきことにそのパートナーの方は「だったら、ゴールドマンに行った方がいいよ」と私に言いました。
「金融の世界は後から戻るのは難しい。ゴールドマンが何故No.1と言われるのか、その答えは中に入って働かないと分からないから、機会があるならトライしてみるべき。ゴールドマンでうまくいかなかったら連絡して。その時に採用するから。」
親身な助言に心打たれた私は、色々悩んだ末にゴールドマン・サックスに入社することに決めました。何故No.1なのかを中から知ることが出来るチャンスを逃すのは確かに惜しいと思ったからです。
これまでのキャリアについて:ゴールドマン・サックス時代
2013年3月にゴールドマン・サックスの債券部に営業として転職した私は、その後2015年6月まで債券部に所属しました。 肉体的にも精神的にも成長する機会を幅広くいただいたのですが、仕事を続けていくうちに「自分のやっている仕事に、もう少し大きな意義を求めたい」と思うようになっていました。債券の営業は、確かにお客様の運用や資産形成には役立ちますし、取引を増やせば自分の給料も当然増えるわけですが、「果たしてこれは自分でないと出来ないことなのか。もっと自分だからこそ、世の中に良い影響を与えられることはないか」と考え始めてしまったわけです。 「自分と取引先顧客以外の世の中の人も、もっとみんなが影響を受けるような仕事をしたい」と思うようになっていました。
元々退職するつもりで転職活動を始めていたのですが、その際に投資銀行部門の方から「辞めようとしているという話を聞いたんだが、であれば自分のチームに社内異動しないか」とお誘いいただき、2015年6月に投資銀行部門に社内異動しました。 2021年6月に退職したので、投資銀行部門では6年間、債券営業時代と合わせると計8年間ゴールドマンで経験を積ませていただきました。特に両部門で直属の先輩には厳しいご指導を沢山いただきましたが、皆様今でも本当に尊敬している大好きな先輩です。この時代の仕事の詳細などを語ってしまうとさらに長くなるので、一旦今回は割愛します(ご要望が多ければ、スピンオフで書きます。)
余談:小澤さんとの出会い
少し余談になります。
私がゴールドマンで働きたいと思った大きな理由は、当時債券部長だった小澤ふみ子さんの面談で強烈な印象を受けたことでした。「この人の下で学びたい」と思ったのですが、しばらく2回目の面接に呼ばれなかったので、自分から何度かエージェントに連絡して「もう1回だけ会わせてくれ」としつこくお願いした結果、再度面談していただき入社できました。 これから色々学ぼう!と思った矢先、小澤さんは私が入社した3ヶ月後に長期療養に入られてしまい、その後一緒に働かせていただく機会は残念ながらいただけませんでした。ただ、一緒に働けた3ヶ月間の記憶は宝物のように大事にしています。
働き始めて、一度だけ個別に部屋に呼ばれました。ドキドキしてドアを開けたのを覚えています。「最近どう?」と聞いていただいたので、色々な悩みや頑張っていることを打ち明けました。すごく真っ直ぐに聞いていただいた後に、こう言われました。
「働き始めて数ヶ月経つけど、あなたは確かに頑張ってる。だけど、私はまだ『あなたを採用して本当によかった!』と思えてはいない。『あなたを採用してよかった!』と私が思うような、強烈な社会人になりなさい。」
当時気づかなかったのですが、おそらく小澤さんはこの後の療養のご予定があられる中で、直近入った私のことまで気にかけていただいていたのだと思います。自分はまだ未熟で、小澤さんに「立派になったね!」と言っていただけるまでにはなっていないと思うので、「小澤さんに認めてもらえるぐらいの社会人になる」というのを今でも大事なミッションにしています。
これまでのキャリアについて:EventHub時代
2021年6月にゴールドマン・サックスを退職して、EventHubにコーポレートマネージャーとして入社しました。 2023年6月末に同社を卒業するまでの2年間、EventHubのメンバーには本当に色々お世話になり、また沢山教えていただきました。2022年にはSeries Aファイナンスやローン調達も実施したほか、2022年秋口からはコーポレートマネージャーとしての役割に加えてマーケティング・営業チームの経営管理をする機会もいただき、更にはイベントプロデュースチームのマネージャーもすることになったりと、事業側の経験も多く積ませてもらいました。「色々経験した」と書くと聞こえはかっこいいですが、それ以上に沢山の失敗をし、周囲の人に助けてもらったなと思っています。新卒の頃を除けば、過去12年のキャリアにおいて、一番成長できた期間でした。
一方で、山本代表とは20年来の友人でもありました。純粋な仕事上の関係と割り切れない未熟な自分がいることも認知しており、「過去のしがらみが全くない別の会社で経験を積むことで、何か答えが見えてくるのではないか。別の事業会社で経験を積むことで俯瞰できる視野を持つ必要があるのではないか」という課題を認識しはじめていました。
これまでのキャリアについて:転職検討軸
今回の転職活動をする中で、大事にしている軸が3つありました。 ①事業会社、できればスタートアップであること ②意味のある仕事だと心の底から思えること ③成長できること
①事業会社、できればスタートアップであること
金融バックグラウンドでスタートアップに入った方が再度転職する際、もう1回スタートアップにチャレンジするという人は、実は多くはない気がします。大きな事業会社に行ったり、前と同じ業界に戻ったり、投資家側に行ったりする方が多いと経験上感じていますし、友人と久しぶりに話すと「よくスタートアップに再度行こうと思ったね」と驚かれます。
金融から来た人が戻ってしまう理由は、金融業界とスタートアップでは「仕事にルールと正解があるか」に違いがあるからではないか、と考えています。
金融機関には、似たようなバックグラウンドの人が集まっており、特定のルールと思考回路が共有されています。評価は「いかに素早く、正確に、決まった答えを導き出せるか」に基づきます。一方で、スタートアップには、全く異なるバックグラウンドの人が集まっていて、ルールも思考回路もそれぞれ異なります。評価は、「いかに素早く、答えのない世界に対して、自分たちなりの答えを作りだせるか」だと感じています。
価値観も、考え方も、バックグラウンドも異なる人たちの意識をどう統一するのか。多様な価値観の人たちをどう纏めて組織の爆発力を産んでいくのか。答えのない世界に、自分たちなりの答えをどう作り出していくのか。人それぞれ何が面白いかは異なりますが、私にとっては答えのあるものを早く正確に見つけるよりも、答えのないものに自分たちなりの正解を出していくことの方が面白くて、スタートアップやそれに携わる業界にいたいと希望していました。
ちなみに、恥ずかしながら正直に告白しますが、おそらく私は正解を早く導き出す方が圧倒的に得意なタイプです。得意なエリアで戦うのであれば、金融の世界に戻る方が正しいのですが、それ以上にワクワクするのは答えを作る方でした。
②意味のある仕事だと、心の底から思えること
「1mmでもいいから、自分の仕事が世の中を住みやすい・良い環境に変えているのか」これは私が仕事をする上で大事にしているモチベーションであり、ゴールドマン時代に社内異動した時から変わっていません。
スタートアップにおいて大事にされているPurpose・MVV (Mission / Vision / Value)や、解決しようとしている社会課題に心の底から共感できる会社で働く方が、自分のパフォーマンスやモチベーションが高く・長く続くというのは、経験上感じていました。
③成長できること
それ以上に、私の最大のモチベーションとなっているのは、新卒時代から今になっても変わらず「仕事を通じて成長できているか、学べているか」です。外資系金融機関にいたからこそ「給料」のモチベーションは短期だと心底感じています。給料は短期的には高いモチベーションにはなりますが、高い給料を理由に成長を感じられない仕事を続けると、中長期的には飽き・妥協・惰性が生じると感じています。
これは私個人の価値観です。給料が短期的にも中長期的にも高いモチベーションにつながる方も多く、それは価値観の問題で良い・悪いの話ではないと思っています。私個人に限定していえば「成長実感」が中長期的なモチベーションとして最も大事だと感じていました。
スマートバンクに惹かれたポイント
転職を進める中で、スマートバンクはエージェントの紹介で知ることになりました。その中で、スマートバンクのお誘いを最終的に受ける決定をした理由は3つあります。
①代表が面白かった
カジュアル面談と1次面接で当社代表堀井翔太 @shotaと面談したのですが、本当に面白い人だなと思いました。質問に対して私が何か回答すると、その回答を深掘りする質問が5つぐらい出てくるのが、好奇心旺盛な小さい子供の「なんで?」連発に対応しているのと同じ感覚でした。圧迫面接のような深掘りだったら嫌な感覚ですが、本当に純粋に彼は何かを知りたくて深掘りたくて「なんで?」を連発しているのを感じて、「事象に対してここまで深ぼれるのが、創業者・経営者としての特質性なんだろうな」と納得してしまいました。
ちなみに、入社した後もこの感覚は変わっていません。彼は本当に「なんで?」マンであり、それが当社のカルチャーのThink N1 を築き上げていると感じています。
②面接が本当にきつかった
その後、何回かの面談を経て共同創業者3名+事業部長との最終面接をしました。その内容は、NDAを締結した上で、事業計画など必要な社内資料を渡されて「次の調達案を考えてきて、プレゼンしてください」というお題でした。ブロックされた時間は3時間。
過去の面接から、4名の能力の高さも感じていましたし、何より共同創業者3名は連続起業家。生半可なものではいけないと精一杯の準備をして当日プレゼンしました。面接において相応に重いタスクを与えて選ぼうというパッションと向き合い方にそもそも心を打たれていたのですが、最終面接で改めて懐の深さを感じました。
面接官4名はこの事業に対して私よりも100倍知識が深い状態でしたし、こと一般的なスタートアップ経営についても私より深い知識や経験を保有していました。そんな「大先輩」が自分のプレゼンに対して、純粋に謙虚な気持ちで質問をしてくれるし、私が仮に間違った認識に基づいて正しくない発言をしても、マウントをとったりすることもなければ、咎めたりすることもない。そして、代表だけではなく全員が「なんで?」「どうして?」「本当に?」のマインドセットで、絶えず質問をしてきて、私という未熟な人間との面接から何かを少しでも持ち帰ろうとしている。
少し話が変わりますが、私は韓国の芸能事務所であるJYPのオーディション番組を見るのが好きで、特に同社の「真実・誠実・謙虚」という価値観に共感しています。
真実=裏表のない人間でありなさい 誠実=毎日努力をして積み上げなさい 謙虚=常に自分の短所に目を向け、また相手の長所に目を向けて、心から感謝しなさい
まさに、JYPの「真実・誠実・謙虚」のような姿勢を全員から感じましたし、「真実・誠実・謙虚」+「なんで?」の組み合わせで事業に向き合っていたら、それはいい会社・事業・プロダクトが当然作れるだろうな、と面接を通じて感じました。
面接期間中は、創業者3名+事業部長+採用担当の計5人としか交流がなかったのですが、実際に入社して3ヶ月経つと、当社のメンバー全員が同じマインドセットを持っています。事業や課題に対して厳しいほどに向き合っていくが、人を批判することはない。なんて素晴らしい組織・会社・カルチャーなんだろうと日々感じています。
③プロダクトの提供価値に共感した
一方で、一つだけどうしても疑問に思っていた部分がありました。それは「B/43というプロダクトは誰が使うんだろう」ということ。自分はクレジットカード決済で当時満足していて、わざわざプリペイドカードに振り込んで決済する必要性があるのか?という疑問を持ちながら面接プロセスを進めていました。
その後、面談を通じて直接社会課題について話を聞いたり、自分で競合他社や海外事例について調査をしていく中で、気づいたことがありました。それは「自分には金融知識があるが、全くない人も世の中に多くいる」という、自分と世の中とのギャップでした。
キャリア上、金融知識を持っているのは当然なのですが、一方でそうではない人もたくさんいます。知識がないから、毎月の収支をうまく管理できないし、貯蓄・投資をしようという発想にも至らない。そもそもどうやったら、貯蓄ができるのかも分からない。こういった本当に困っている方が少しでも幸せになれるサービスだということに面接のプロセスを通じて気づき、「意味のある仕事だ・プロダクトだ」と心の底から共感できました。お金持ちの資産が更に増えるのも大事ですが、私は本当に困っている人が少しでも生活がよくなることの貢献度は段違いに高いと思っていますし、そこに意義を感じています。
ちなみに、今はB/43のユーザーとしてプロダクト価値を心底感じていますし、金融知識がある人でも使った方がいいサービスだと思っています。意外と毎月の収支をちゃんとつけられている人はいないはずで、使い出してみると今までいかに自分が無駄遣いしていたか分かります。
これからやっていきたいこと
B/43というプロダクトや、スマートバンクという会社が最終的に目指しているのは、お金に関する悩みから、あらゆる人を解放することです。特に、「お金」の全般的な問題に困っている人たちが、少しでも「楽になった」「幸せになった」と思えるようなサービスを作っていきたいし、あらゆる「お金」の悩みを解決する会社になるための礎を今作っていると感じています。本当に大きな、途方も無い夢ですが、古代の人がピラミッドを作ったように、地道に一つずつ積み上げていけば必ず成し遂げられる夢だと信じています。
また、私自身は、世の中から奪う人(テイカー)になるのではなく、与える人(ギバー)でありたいと強く思っています。会社を通じても個人としても「ギブ」を最大化できるように、日々研鑽を積み重ねていきたいと思っています。
今回のまとめ
長々と書きましたが、まず転職について自分は改めて2点感じています。
1つ目は「周囲の人は自分が想像している以上に自分を理解してくれていて、アドバイスは真摯に受け止めた方がいい」ということ。大学生時代に就活を進めてくれたのは両親で、「しもさんはto C向いていると思う」と転職時にアドバイスしてくれたのはEventHubの山本代表でした。自分が思っている以上に周りの人は自分について理解をしてくれていて、周りの人がくれるアドバイスは真摯に受け止めるのが良いと思います。
2つ目は「キャリアは自分で作るのではなく、人に作ってもらうもの。ただ、人に作ってもらえるかどうかは、自分の努力次第」ということ。本当に恥ずかしいことかもしれませんが、私は今までのキャリアを全て人に作ってもらいました。ゴールドマンへの転職を勧めてくれたのはとあるコンサルのパートナーで、投資銀行部門に引っ張ってくれたのは大好きな先輩であり、EventHub時代にも多くの失敗を会社のメンバーにサポートしてもらいました。ここには書ききれないぐらいの方にサポートしていただいて今の自分があります。一方で、周りの人にキャリア形成を手伝ってもらうには、自分が努力し成長することが必要です。最後誰かに助けてもらえるように、埋もれていても見つけてもらえるように、日々の誠実な努力を積み重ねることが重要だと思っています。
また、転職にあたっては、検討軸を定めることも大事だと思います。スマートバンクは自分が転職検討の軸に置いていた3点を充足してくれる会社でした。スタートアップであるのは言わずもがなですが、揃っているメンバーは本当に誰もが優秀であり、経験豊富な共同創業者3名やコミットメント高い投資家の皆様と切磋琢磨することで獲得できる成長曲線は、日本のあらゆる企業の中でも群を抜いています。また、当社が提供しているプロダクトは、本当に困っている人・課題を持っている人の悩みを解決して少しでも日々を幸せにするプロダクトで、社会的意義を強く感じることができます。
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