こんにちは!スマートバンクでUXリサーチャーをしているHarokaです。
このブログでは、2024年2月9日に実施された、Notion さま主催イベント『Notionでユーザーリサーチを変える 〜スマートバンクのユーザーリサーチ文化の作り方〜』の登壇内容を抜粋・編集してお届けします。
スマートバンクでは、Notionを活用して業務を進めており、まさに日々のインフラ。私が入社した2022年当時、すでに会議の議事録やプロジェクトページなどはNotionで作られていました。
そんな身近なNotionの導入きっかけや活用法についていくつかご紹介していきます!
なぜNotionを導入したのか?
創業当初は別のツールを使っていましたが、チームメンバーの増加・管理する情報量が増えたため、ストック情報を構造化して管理できるツールがあれば良いな...と思ったところから始まります。
チームメンバーが増えると、課題にあがりやすいのが情報の流通です。必要資料へのアクセス性を担保しておかないと、すでに検討したことを再度議論するなど手戻りが発生することもあります。どこに何があるかわからないことが、チームの歩みを遅くします。
当時、スタートアップで使われ始めていたのがNotion。他社の経営者にNotionでどのようにドキュメントを管理しているか見せてもらうなど、実務イメージを具体化した状態で、Notionへ移行したとのことでした。
この際、決め手になったのは「情報を階層構造で整理できる/整理しやすいこと」。
CXOのtakejuneさん曰く、“ディレクトリ構造を、ドラッグアンドドロップでかんたんに編集できることがNotionの最大の魅力”であったことから、Notionが選ばれたようです。
SmartBankでは
- 「ストック情報共有ツール」
- 「プロジェクト管理ツール」
- 「静的ページ生成ツール」
の3つの用途で利用しています。
ドキュメント同士の関連性を持たせたり、親子関係を定義しやすくしたりとストック情報・プロジェクト管理の現場で大いに活用できています。 creatorzine.jp
3つ目の「静的ページ生成ツール」は日々のストックデータ管理とは異なる文脈ではありますが、この記事の後半で実例をご紹介予定です。
プランにもよると思いますが、Notionは容量無制限のためインタビュー動画の置き場として最適です。今回は、リサーチに関連した活用方法についていくつか具体例をご紹介していきます!
スマートバンクのリサーチデータ管理
SmartBankでは、UXリサーチャーがあらゆる職種と関わり、一緒にリサーチプロジェクトを進めます。 例えば、新機能開発などのプロジェクトが立ち上がる場合、企画段階から入り、調査計画や実行、調査結果の活用支援まで一気通貫で行います。
リサーチプロジェクトのメンバーのみならず、CSやエンジニアなどリサーチ状況を共有したり、作業の一部をお願いするケースもあります。
リサーチャーとしては、あらゆる職種がリサーチデータにアクセスしやすく、活用できる状態を作ることが求められます。
リサーチ活動におけるNotion活用事例
私の日々のリサーチ活動は、調査に関連するものと、リサーチ広報の大きく二つに分かれます。前者はインタビューをはじめとするリサーチデータのデータベース構築・運用(1️⃣)、後者は先日リリースしたSmartBank Research Culture Book(2️⃣)をもとにご紹介します。
1️⃣リサーチデータのデータベース構築・運用
2023年は…
- 200件弱のインタビューを実施
- 発話録、動画とセットで記録
- インタビュー件数の数倍の対象者へ連絡
- インタビューに紐づいたリサーチプロジェクトが20件弱
- 他、アンケートや取材対応・調査リリース関連のデータなど…
下の図では、インタビューに関連したものを抜粋しています。インタビュー関連だけでも4つのデータベースが存在しています。
日々増えていくリサーチ関連データを管理する際、キーとなるのが”相互参照”です。
閲覧・活用するのが全社員のため、全社員のアクセス性を担保できるよう考慮してデータベースを作り、導線を配置しています。
このように、事業・プロダクトのページにリサーチポータルを配置し、それぞれのデータベースについても相互参照するように組んでいます。
また、図では表現しきれていませんが、プロジェクトページからインタビューデータを同期ブロックで参照させるなど、メンバーが普段アクセスする通り道にリサーチデータが置かれている状態にしています。
一方、リサーチチームとして運用で使用しているのが「インタビュー対象者データベース」です。 進行管理を目的とし、対象者への連絡まわりのステータスを見える化するものとなっています。
図を見ていただいたらわかるとおり、運用を主に行うOpsメンバーの作業ごとにカラムで分けられています。作業が完了したらチェックボックスにチェックをつける運用を行い、作業進捗がひと目でわかるようにしています。
Opsメンバーはフルリモート勤務、テキストコミュニケーションがメインです。非同期で進めやすく、状況把握がしやすい形が適していました。
作業進捗がオープンになることで、対象者への連絡漏れが防げるなど、 ToDoの指差し確認もできます。対象者のステータス管理はタグ付けで、リサーチチームでの対応状況把握はチェックボックスを活用しています。
また、例えばPMなど、リサーチャー以外がインタビュー進行する際にも全体の流れがわかるので安心できるようにも感じています。
📕合わせてお読みください blog.smartbank.co.jp
2️⃣SmartBank Research Culture Book
弊社のコーポレートサイト等、外部公開しているページはNotionをベースに作っています。
リサーチ活動について、私を中心に発信活動を継続していましたが、あちこち散らばっているため全体感が掴みにくく、網羅的に知れるページが必要そうだと感じていました。構想から約一年かけて、リサーチポータルのような役割を持つページを完成させました。
Notionの段組みを組み合わせ、文字文字しくないように配慮し、適度に写真や図を配置して
”ページが長いが読みやすさを担保する” ”図の細かな字を読んでほしいところは大きく配置”
など読んでもらいやすいページを意識して作りました。
読みやすさを考慮すると同時に、Notionを用いて良かったと感じたのは「共同編集のしやすさ」です。
このSmartBank Research Culture Bookは、チームメンバーの@Kawakatzuさんと一緒に創り上げており、細かな言い回しの変更やコンテンツの追加など、最後の最後まで修正を加えました。
ミーティングでは画面共有しながらその場で修正したり、イメージ画像を入れて認識を揃える場面もありつつ、作業は非同期で進めたためコメント機能が役に立ちました。
Notionを使うことで得られるメリット
Notionというツールの特性は、データベースが視覚的にわかりやすく、同期ブロックを用いると更新作業が手間なく誰でも行えるところにあります。
実際に業務で活用してみて、良かった点を改めてご紹介します。
✅同じ情報を「相互参照」させることで情報を流通しやすくする
データベースビューをチームメンバーがよく見るページなどに貼り付けしておくと、相互参照しながら、データが最新の状態に同期され、共有できます💡
✅チームメンバー自らリサーチデータを探しやすくする
それぞれのデータにタグ付けをすることで、データベース内の検索性を高めることができます。 例えば、既存ユーザーか、未利用のユーザーかなど、リサーチ概要をぱっと掴みたい時や、複数のリサーチプロジェクトを通して似たような属性の方を絞り込む時などに便利です。
✅ 普段使いのツールに組み込むことで、学習コストを下げる
リサーチャーが使いやすいツールはチームメンバーが使いやすいとは限りません。 ちょっとでもわからないものがあれば使われなくなってしまう懸念があったため、使うハードルが低くリサーチデータベースの構築にも適しているツールを探していました。 その点、Notionは懸念ポイントがないツールでした。
✅ 共同編集しやすい
共同編集が誰でもできる良さは、作成者が「ツールを扱えるスキルのある人」に固定されないことだと思います。 チームメンバーと一緒に話し合いながら編集したり、作りながら考えることで新たなアイディアが生まれたりもしました。
Notionを使うことで、日々のリサーチ活動を充実したものにできると思いますので、ぜひ試してみてください!
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