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エンジニア採用広報に全社で取り組み、認知を広げた半年間

こんにちは。スマートバンク広報のchika(@chika_iwa_)です。 年の瀬ですが、この半年間で取り組んできた当社のエンジニア採用広報について書いてみます。

  • エンジニア採用広報を本格的にスタートさせたいけれど、どう進めたらいいか分からない
  • 採用広報の専任がいない中、なかなか組織として採用広報に注力しきれない

このようなお悩みを持つ方への参考として「全社でエンジニア採用広報に取り組む背景とプロセス」についてご紹介できたらと思います。 (先日、DevRel Guildのミートアップで登壇した内容のサマリです!)

もともとの体制ときっかけ

もともとの採用広報体制は、CTOと採用担当の人事と広報(私)の3人でした。私が2023年3月に入社してから6月ごろまでは、この体制でエンジニア採用広報の目標を立てていました。

当時もエンジニア採用広報のゴールや目標、施策案を設計していましたが、自分自身も転職してエンジニアの採用広報を担当するのが初めてだったので、

  • エンジニアの採用広報の目標ってこんな感じでいいのかな?
  • エンジニアのメンバーの個人目標にも入ってはいるけど、本当にみんなブログ書いてくれるかな?
  • 自分がやれることの範囲で目標を立てているけど、アウトプットの量は足りるのかな?

という課題感をなんとなく持っていました。

2023年度はエンジニアの採用目標も高い中、4月〜6月頃に目標を達成するペースで進捗していなかったこともあり、改めてエンジニア採用広報は全社の重要イシューだという認識を持ちました。事業ロードマップを達成するにはエンジニアの採用が不可欠だけれど、そもそも認知もされていなくて採用がうまくいっていない状況。

そんな時、PMチームのmoretさんから「僕たちもエンジニアの採用広報を考えた方がいいんじゃないか?」と職種を飛び越えて意見を頂いたり、CXOのtakejuneさんから「エンジニアの採用広報の戦略をちゃんと作って、他職種の手を借りた方がいいんじゃない?」とアドバイスを頂きました。

そこで今のエンジニア採用広報の課題を改めて認識して、これらの課題に対して"職種横断のエンジニア採用広報チーム"を立ち上げる形を検討しました。

職種横断でエンジニア採用広報チームを立ち上げた背景

3つの課題に対してどのように考えて、職種横断でのエンジニア採用広報チームを立ち上げることに決めたかを書いていこうと思います。

課題1.戦略の解像度を上げられていない

課題の1つ目は、戦略の解像度を上げられていなかったことです。当社で課題設定・分析のスペシャリストはPMの方々なので、自分だけで考えるのではなく、PMのmoretさん、jouさんに課題整理の部分を率いていただくことにしました。またCTOだけでなくエンジニアの生の声を集めるために、エンジニアのmitaniさん、ohbaryeさんにチームに入ってもらったり、エンジニアメンバーとのブレストの時間を頂くことにしました。

課題2.現場をうまく巻き込めていない

課題の2つ目は、現場をうまく巻き込みきれていなかったことです。やはり採用広報をやる理由をもっとオープンにしていかなければいけないと考えました。全社観点では、事業ロードマップの達成のためにエンジニアの採用を強化しないといけない。採用現場の観点では、スカウトの返信率を上げるためには認知が必要。そのあたりをより多くのメンバーで話し合い、採用広報の必要性についてみんなで同じ認識を持てるようにしようと考えました。

課題3.リソースが足りない

課題の3つ目は、サービス広報と兼任している自分だけではリソースが足りていないことです。PMの方もそうですし、他職種の方の力を借りることが大事だと思いました。たとえば、カンファレンススポンサー経験者のCSのnyancoさん、デザイン制作も情報発信のサポートもできるyukiさん、ブログを書くのが得意で登壇経験が豊富なohbaryeさんなど。専門性を持った方々の力を借りてアウトプットの量と質を高めることに取り組むことにしました。

どのようにエンジニア採用広報を進めたか

具体的にどんな体制でどのようにエンジニア採用広報を進めていったかをご紹介します。チーム体制は下記の図の通り、CTOとエンジニア、PM、CS、デザイナー、広報、採用担当の総勢10名の体制に変更しました。

そして下記5つのステップでエンジニアの採用広報に取り組み始めました。採用広報を進める上での基本的な流れかなと思いますが、一つひとつ取り組み内容をお話します。

1.課題の整理をする

採用広報のファネルのうちどこに最も課題があるのか?を整理するため、PMの採用広報でも活用していた「認知→関心→検討→応募」というファネルをもとに議論しました。定量的にはHPへの直接応募数やスカウト返信率、定性的には実際にカジュアル面談でエンジニアやCTOが話す中で頂く声、他職種のPMやデザイナーとの違いなどを話しました。

そこで「認知」の部分に課題が大きいという認識がそろったので、そこに最も効くような施策を検討することになりました。

2.ゴールの認識をそろえる

並行して、ゴールの認識をそろえるためにみんなで意見出しをしました。エンジニアの方からの意見を頂きつつ、みんなが目指したいと思うテーマを決めるようにしました。正解を出すということよりも、議論をするプロセスが重要だと考えていて、どういう状態を目指すかを話す時間を作りました。「どうなっている状態を目指すか?」「ベンチマークの企業はどこか?」「どうやってゴールへの指標を測るか?」などを話して、中期・長期のゴールを設定しています。

ちなみに、中期でいうと「Ruby/Rails界隈の一軍になる」(RubyやRailsで開発している人が転職候補を思い浮かべる時の一軍の企業群に入る)ことを目指しています。

3.ターゲット像の深掘りと訴求軸を整理する

優先すべき施策とコンテンツの解像度を高めるため、PMのjouさんに主導してもらってターゲット像の深掘りと訴求軸の整理を行いました。サーバーサイドエンジニア全員に集まってもらい、Figjamで各自書き出してもらい、意見をすり合わせするという流れで行いました。

  • スマートバンクにぴったりのエンジニア像は?
  • ターゲットはどんな条件で転職する?
  • ターゲットはどのように転職先を認知する?
  • ターゲットにとって当社で働く上での魅力は?

それらをもとにマッピングして、どのようなターゲットにどんな情報発信をするべきか軸をまとめていただきました。

4.施策の優先度をつける / やれていないことを見つける

1〜3をもとに施策の優先度をつけたり、やれていないことを見つけることに取り組みました。認知に効く施策に取り組むためにRuby / Railsのカンファレンススポンサーの優先度を高めたり、やれていなかったX(Twitter)での発信や入社エントリを追加したりしました。

5.目標を分けてグループ化する

それらの施策をどう実行していくとよいかを考えて、チームでのOKRの設計やグループ分けを行いました。自分だけのリソースではアウトプットの量が足りないので、他職種のみんなにオーナーになってもらうことで、ぐんぐん推進していくことができました(ありがとうございます…!)。

具体的には、スポンサーチームをnyancoさん、プレゼンス向上をyukiさん、ブログ発信をohbaryeさんにオーナーになっていただきました。

具体的にやってきたこと

このようにエンジニア採用広報の戦略とチーム作りを行い、具体的には下記のことに取り組みました。

発信活動を強める中で、ありがたいのことに下記のような声を頂けることも増えてきました。全員で注力して取り組んできたので、それが伝わることがとっても嬉しいですし、これからも継続してよりよくしていけるように頑張っていこうと思います。

まとめ

スマートバンクがこの半年間で取り組んだ「エンジニア採用広報」の取り組みについてご紹介しました。特に職種横断で取り組むことでよかったことは下記2点かなと思います。

  1. みんなで課題を認識して、同じ方向を見て取り組めるようになった
  2. 得意な人の力を結束して、一つひとつ最大限のアウトプットを出せた

私自身もスマートバンクに入社してから、自分が持っていない強みを持った方々に囲まれて、課題設定や他職種が集まる中での議論の進め方、アイデアを形にしていく推進力などを間近で学ばせていただく機会になりました。

もしこれから採用広報を本格的にスタートさせる方や、組織全体で採用広報に取り組みたいと思っている方がいたら、採用広報をする上での議論のプロセスを大切にすること得意な人をどんどん巻き込むことをおすすめしたいなと思います。

最後に、これらは広報の私が頑張って推進したというよりは、スマートバンクの文化があってこそできたことです。「Super Ownership」の職域を飛び越えよう「Be Open」の情報を自分から共有しようという文化があるので、そういう文化に後押しいただいたことでみんなを巻き込んで推進できたかなと思っています(自社ながらとっても素敵な文化です)。

終わりに

今回はスマートバンクのエンジニア採用広報の取り組みをご紹介しましたが、他社さんで取り組んでいらっしゃることなどぜひ情報交換していけたら嬉しいです。来年も早速YAPC::Hiroshima2024にスポンサー&2名の登壇予定があるので、それを皮切りにどんどん盛り上げていけたらと思っています!

CTOの雄太さんからもKaigi on Rails2023の総括や技術広報についてまとめているので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。

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サーバーサイドエンジニア、エンジニアの採用担当も大募集中なので、ぜひお気軽に面談もお待ちしています。

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