こんにちは!スマートバンクでUXリサーチャーとして活動しているHarokaです。2022年4月、スマートバンクで初めてのUXリサーチャーとしてジョインしました。
このブログでは、「1人目のリサーチャーとして、信頼してもらうために取り組んだこと」をお話します。
5月28日に開催された【RESEARCH Conference 2022】日本発のリサーチカンファレンス登壇内容を、より具体的な行動ベースでご紹介する内容となっています。 登壇資料の書き起こしは、ブログの最後にありますので、合わせてお読みいただけると幸いです!
私は、正社員としてジョインする数か月前、業務委託というかたちでスマートバンクに関わっていました。
初めての専門職として、組織にどのように関わっていくと良さそうか−−皆様の中には、リサーチャー職に限らず、業務委託というかたちで企業に関わる方も多いのではないでしょうか。
リモート勤務の潮流によって全国どこでも働ける会社も多くなり、今後、複数の会社に関わりながら自分のキャリアを描く方が一層増えていくのではと感じています。
ジョインしてすぐ、どう振る舞うとお互い安心しながらコラボレーションできるのか?と迷われた際に、どういうスタンスで、何をしたかご紹介しますので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
どういうスタンス?
「同じ景色を見る」
自分のスタンスとして”蚊帳の外からものを言う関係性を作らない”ことを徹底しました。
業務委託でリサーチを請け負う場合、コンサルティングやアドバイザリーとしての参画を求められることもあるため、立場上一定の線引きが必要な場合もあるかと思いますが、スマートバンクで求められるリサーチは、「不確実性の高い事業を進める上で、意思決定に資するリサーチ」です。
この場合、質の高いリサーチを設計、実施するためには、既にそのプロジェクトに関わっているメンバーと同等のドメイン知識を持ち、同じ熱量で会話ができる必要があります。 蚊帳の外にいると、同じ景色を見ることはできません。
当時、私は人材業界でのリサーチ経験はあったものの、金融業界は初めて。同じ景色を見るために、とにかくできる限り情報収集を行いました。
スマートバンクではメンバー間のやりとりにSlackを使っているので、基本そこでのやりとりは追うようにし、並行して金融庁の大規模調査結果を眺めたり、フィンテック領域のニュースを見たりしながら知識を吸収していきました。
何をしたか?
組織に流れるコンテキストを踏まえたコミュニケーション
大前提として、組織のこれまでを理解することが大切です。過去のリサーチはもちろんのこと、どんなプロジェクトが動いていて、誰がどの役割を担っているか。事業がどの方向に向かって進んでいるか。
コンテキストを踏まえなければ、最悪の場合、「リサーチしたのはいいけど、全然役に立たなかったよね」ということにもなりかねません。
リサーチャーとして価値発揮するためにも、組織に流れているコンテキストを把握し、それを踏まえてコミュニケーションをとるのは必要不可欠だと思います。
スマートバンクでは「人が欲しがるモノを作る」をミッションに掲げ、それを実現するための出発点としてユーザーインタビュー(=N1インタビュー)をCEOの堀井やCXOのtakejuneが行ってきました。
経営、別の重要ミッションを多く抱える堀井が時間を割いて、自ら行っていたN1インタビュー。
「N1インタビューこそプロダクト開発の始点かつ最も重要でもある仕事」という想いがプロダクトのみならず、チーム全体に強く流れていることもあり、カルチャーの根幹を成しています。
堀井と初めて話した時、「生粋のリサーチャーだ」と率直に感じました。ユーザーに真摯に向き合い、課題を特定して解を提示していく姿を目の当たりにし、堀井の熱量を受け継ぎつつリサーチを事業に組み込むために自分に何ができるか、という新たな問いを得ました。
堀井のリサーチャーとしての振る舞いや想いを踏まえ、最大化できるよう、リサーチャーとしてのアクションを考えることが、自分の行動のベースになっています。
組織のメンバーをリサーチする
リサーチ業務で結果を出すためにも、リサーチ結果を誰に手渡し、どのように活用するかのイメージを鮮明に描かなければなりません。 リサーチャーがどんな役割で、どういった動き方をするのかを知ってもらうために「組織内のリサーチ」も行いました。
・開発プロセスがどうなっていて、誰がどんな役割で関わっているのか
・プロジェクトの目指す方向性や気にしておくべき情報は何か
・リサーチを通じて知れると嬉しいこと、前に進めることは何か
・メンバーの皆様が事業やプロジェクトに対して課題に感じているところがありそうか
Slackのやりとりだけでは理解が及ばないところが多く、堀井に頼んでメンバーとの1on1を設定してもらい、デザイナー・PdMなどの開発メンバー、マーケ・BizDevなどの事業推進メンバーに30分程度ヒアリングを行いました。
同時に、メンバーがスマートバンクにどのように入ったのか、どんな思いを抱きながら日々業務に取り組んでいるのか、というところもキャッチアップするように努めました。
リサーチをただ請け負うのではなく、メンバーがリサーチプロジェクトに関わった体験も心地良いものにしたいと私は思っています。
情報が足りなくて困ることはないか、今必要な情報をタイムリーにお渡しできているか...
一人一人に合ったプレゼントを選ぶような気持ちでメンバーの日々の業務の様子を気にかけると、自然とリサーチ精度も上がっていくと考えています。
職種関係なく、リサーチに巻き込む仕掛けを作る
業務を進めて1週間ほど経った時、カスタマーサポートのメンバーから「アルバイトメンバーが協力できるかもしれないので、よかったら」とインタビュー業務協力の申し出がありました。
また、納会で初めて会ったエンジニアやデザイナー、マーケターなどあらゆる職種の方から「ユーザーインタビュー読みました!」「●●っていう発言があって、発見でしたね」など声をかけてもらったのには驚きました。
■納会の様子 blog.smartbank.co.jp
これらの状況を踏まえて、スマートバンクに関わるすべての人がユーザーインタビューの進行状況がわかり、調査結果にアクセスしやすい 環境整備が必要になると確信しました。
また、データを共有するだけではなく、プロセスを共有することで、もっとリサーチを身近に感じていただけるのではないかと考えました。
通常はリサーチャーのみで行うことが多い調査設計や結果の分析などの様子も見えるようなところで行ったり、ワークショップのようなかたちで一緒に進めることで、よりリサーチを活用してもらうイメージをつけてもらうように心がけています。
こういった取り組みを通じて、一度リサーチに関わっていただくと、「このシーンでリサーチャーに話しかけたら手伝ってくれるのでは?」 「ユーザーについて疑問が湧いたら話しかけたらいいんだな」とわかってもらいやすくなるので、継続的な実施体制を整えています。
最後に
今後の私の取り組みとして、現在取り組んでいること4つをご紹介したいと思います。
これら全てを同時進行させながら進めているのですが、その中での気づきや取り組みなど、またブログでご紹介できればと思っています!
■登壇資料
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