
こんにちは!株式会社スマートバンクでEMをしているmitaniです!今年度から自分自身も一つのチームのエンジニアリングマネージャー(EM)として働きつつ、サーバーサイド部の部長としてEM陣をマネジメントしながら組織の改善に取り組んでいます!
前回のブログでは、サーバーサイド部で始めた “委員会制度” について紹介しました!このブログではそのうちの一つである投資委員会について深掘りします!
前回のブログ 👇
今期、投資委員会ではサーバーサイド部でのDevinやClaude Code、Cursorなどの導入とともに、全社でのAI活用の推進サポートを行っています。このブログでは全社のAI活用推進の様子と委員会として取り組んでいる内容をお伝えします!
全社でのAI活用推進
ワンバンクでは、「AIレシート読み取り」、「AIスクショ読み取り」、「AI埋蔵金チェッカー」、「AI支出チェッカー」など、プロダクトへのAI活用を進めてきました。しかし昨今のAIの進化は凄まじく、プロダクトの機能として活用するだけでなく、日々の業務でもAIを活用してビジネスを根本的に再構築していかなければ、競争力を失っていくことになりかねません。
そういう思いの元、株式会社スマートバンクではCEOの堀井が「株式会社スマートバンクをAIファーストの会社にする」という号令を発し、業務でのAI利用の推進とそれに伴う予算の設計、業務時間の割り当てを進めています。
4つの重要施策
AIを全社的に活用推進していくためには、以下の4つが特に重要だと思っています。
Recources(十分な予算を抑える)
AIの進化は凄まじく、日々新しいサービスや料金プランが発表されています。本気でAI推進していくためには、しっかりとAIに予算を寄せて他を節約するなど、選択と集中が重要です
Empowerment(初心者へのサポート)
AIサービスは日々新しいものが生まれているものの、まだまだ全職種が現場で即使えるほど成熟したものは多くはありません。全社員が取り残されず活用を進めるには、適切なサポートが重要です。
Direction(トップダウンによる号令)
“全社” レベルで一斉に活用を推進するには、ボトムアップではなくトップダウンで号令をかけ、トップがコミットすることがマストです
Safeguards(安全なレールを敷く)
AIは便利ですが、情報漏洩や著作権の侵害、誤った情報による意思決定など様々なリスクが潜んでいます。AIに長けた人からこれから使い始める人まで、幅広く安全に利用できるレールを敷くことが大切です
頭文字をとって、R.E.D.S(レッズ)が大事と自分は呼んでます。いずれもAIに興味がある有志メンバーに任せているだけでは足りず、組織的に意思を持って進めなければならないものばかりです。株式会社スマートバンクではトップダウンによる号令から予算の確保を経営陣が行い、安全なレールを敷いたり初心者へのサポートを投資委員会が中心となり色々な部署と協力しながら進めています。
投資委員会
投資委員会はサーバーサイド部からエンジニアリング領域でのThink N1を強めていく委員会です(詳しくは前回のブログをお読みください)。現在はサーバーサイド部4名とコーポレートIT部1名の5名が主要メンバーとして活動しています。投資委員会のミッションの一つに「AIなどの最新技術に積極的に触れ、効果検証や組織への浸透を図る」というものがあり、サーバーサイド部だけでなく全社でのAI活用推進をサポートしています。
この3ヶ月間、投資委員会が上に挙げた4つの重要施策に対して行ってきた内容を紹介します。
安全なレールを敷く
AIは便利ですが、様々なリスクがあることを認識して使う必要があります。例えば、ChatGPT / Gemini / Claudeなどはともにチャットで生成AIを利用できますが、入力されたデータの取り扱い方法にはサービス毎に差があります。また、入力データがモデルに学習されるかどうかのデフォルト設定も異なります。
全社員でAIサービスを活用していこうとした際、一人一人がAIサービスの利用規約やデータの取り扱い方法を確認し適切に設定してもらうのは現実的ではありません。会社として安全に利用できるAIサービスを選定し、利用方法や注意事項も一緒に伝達する方が効率的です。特に人事・労務の部署では、従業員や採用候補者の個人情報を扱うこともあり、会社としてルール整備して欲しいと要望がありました。
そこで投資委員会では、法務・コンプライアンス部と協力して会社として利用可能なAIサービスの一覧を整理しながら、個人情報や業務情報の入力可否、利用時の注意点をAIサービス利用ガイドラインとして整備しました。

初心者へのサポート
全社でAIサービスを進めるにあたって、ガイドライン整備の次に課題になったのが、リサーチャーやマーケティングの部署の方々の技術的なハードル問題です。例えばメール受信をトリガーに次のアクションを自動化するようなワークフローをn8nなどのローコードワークフロービルダーで組みたい場合、エンジニアは慣れているためワークフロー設計からプロトタイプ作成までさほど苦なく進めることができますが、これまで一度もやったことがない人にはハードルが高いです。
エンジニアやデザイナーなどプロダクト開発側では特化したサービスが登場してきているものの、そうではない職種ではまだまだサービスは出てきていません。そのため、n8nなどの汎用的なツールで工夫しながら自分たちの業務を効率化する必要があります。自由度が高いツールなので、やりたいことはどういうものを組み合わせると実現できるのか、ワークフローはどう設定すれば良いかなど、0からサポートしてあげることが全社員を巻き込んでAI活用を推進するために重要です。

株式会社スマートバンクでは #all_ai_soudan_yasashii というslack チャンネルを作り、気軽に悩みを相談すると先駆者が答えてくれたり、投資委員会のメンバーがサポートを行っています。直近では、n8nをリサーチャーやマーケティング、BizDevの部署で活用するため、投資委員会のメンバーがプロトタイプ作成をサポートしています。他にも、エンジニア以外の方もDevinを活用できるよう、Devinの使い方講座を開催しています。
一度、0→1部分をサポートして感覚を掴めば、どんどんと色々なアイデアで活用してくれるメンバーが多いので、エンジニアだけでは気づけなかった使い方を発見したり、活用事例を広めてくれています。
十分な予算を抑える
株式会社スマートバンクでは部毎にAI予算を設定しており、様々なAIサービスを試しながら業務効率化にトライしています。投資委員会では主にサーバーサイド部のAI予算の計画とトラッキングを行っています。また、Gemini APIキーなど部横断的に一元管理した方が効率的なものは投資委員会が主体となって管理し、気になったサービスを気軽に検証できる体制を整えています。
最近ではClaude Maxプランが登場するなど、AIにかかるコストは日々変わっており正確に予算を見積もることは難しいです。そのため、ある程度のバッファも込みで予算計画を立てておき、月単位で消化状況と次の月の計画を見直しています。例えばClaude Maxを利用するエンジニアを増やしたい場合には、それまでとっていたCursorやCopilotの予算や、その他AI以外の予算で節約できる場所を探して予算をAIに寄せるなど行っています。
これから
この3ヶ月間は主に全社的にAI活用を推進していくための土台整備を進めてきました。ガイドラインの整備や全社員が気軽に相談したりサポートを受けながら協力して進められる環境が整ってきました。これから先はより具体的に既存の業務を再構築するようなAI活用に取り組んでいきたいと思っています!
まとめ
このブログでは株式会社スマートバンクでは全社でのAI活用を推進していることと、サーバーサイド部の投資委員会がガイドライン作成や予算管理、初心者サポートを行っていることを紹介してきました!
この他にもエンジニア内でのAI活用推進も進んでいるので、また別のブログで紹介します!お楽しみに!