はじめに
こんにちは!株式会社スマートバンクの顧客体験チームでサーバーサイドエンジニアをしている otaka(@oh_minisera)です。今回はCRE CampというLT会に参加してきました!
CRE Campのテーマは “ユーザー信頼性の向上と運用改善をカジュアルに学び合う”です。会社の規模は問わず、CRE/CS(カスタマーサクセス/サポート)周辺に携わるエンジニアが大集合し、会場は終始なごやかなムードでした。それでいて「CREはまだまだ伸びしろしかない!」という熱量が随所に感じられ、皆さんのメモが止まらない光景が印象的でした。
そして弊社からもstefafafan(@stefafafan )さんが登壇しました!詳しくレポートしていきます 💪
各セッションから得た学び
*発表順
急成長を支える基盤作り 〜地道な改善からコツコツと〜
株式会社スマートバンク すてにゃん さん / @stefafafan
このセッションでは、サービスの急成長に伴いサポートの負荷が増大する中で、「事業が拡大しても顧客体験を維持・進化できる体制を整える」 ために、CREという役割に固執せず、多角的なアプローチで改善に取り組んだ事例が紹介されました。具体的には、エンジニアとして以下の3つの役割を意識して行動したとのことです。
| 立ち回り | やったこと |
|---|---|
| as a Scrum Master | スプリントゴールを明確化し、助け合える体制をセットアップ |
| as a Developer | CI 実行時間の短縮など DX を改善し、フィードバックループを高速化 |
| as a Product Engineer | 社内向け管理画面をユースケース中心設計に刷新し CS 業務を効率化 |
これらの活動は、普段の業務でご一緒しているstefafafan さんの姿そのものであり、強い納得感とともに、改めてその意義深さを認識することができました。
特に印象に残ったのはやはりチームで戦っていく姿勢について。少し前までは弊社のCREチームはエンジニア・CS合わせて3人でした。ここ数ヶ月でチームメンバーが倍以上に増えて、チームとして戦うということをリラーニングする時期でもありました。そこで新メンバーの stefafafan さんが状況をキャッチして、チームの営みを改善していくのはとてもありがたかったです。
この基盤作りこそが関わるメンバー全員の体験の向上につながり、それが顧客の信頼性に繋がるということをセッションからビジビジと伝わりました。
CRE を立ち上げるにあたって考えたこと・やったこと
株式会社 SmartHR a-know(井上 大輔)さん / @a-know
「CREとは何か?」「事業貢献できているか?」というCREに関わる人であれば誰もが一度は考えるこの難しい問いに、真正面から挑んだ事例の紹介でした。
2度のCRE立ち上げ経験を持つa-knowさんは、過去の経験から得た課題意識を元に、CREを離れ複数のCustomer Facingな職種を経験されています。
「CREとは何か?」という問いに対しては、SREになぞらえ「”Customer(顧客)”の状況を把握し、顧客からの信頼向上に貢献すること・それをミッションに持つロール」との定義をしており、自分の中で霧が晴れたような感覚がしました。
また、私自身、最近「CREチームとしての山の頂はどこで、今は何合目なのだろう」と考えていました。a-knowさんが提唱するという専門性の四本柱 (Customer Observability/トイル削減/CS Ops/顧客信頼の砦)と、それぞれの成熟度レベルがその解の一つでした。CREチームの専門性を明確にして目指すべき方向を具体的に示してくれる、非常に勉強になる考え方でした。
ダイニーのレジの緊急事態用の機能について
株式会社ダイニー 畑田 祥太 さん / @whatasoda
「障害は避けられない」前提で、飲食店向けレジシステムを“止めない”ための設計事例の紹介でした。
印象的だったのは、単に機能を提供するだけでなく、「緊急時」という異常事態における店舗スタッフの心理的負荷をいかに下げるか、という視点でUXが再設計されていた点です。具体的には、通常時と緊急時でUIを可能な限り統一し、普段から緊急時の機能をあえて表示しておくことで、いざという時にスタッフが新しい操作を学ぶ必要がないように工夫されていました。
この「緊急時に新しい学習を求めない」という設計思想は、システムの信頼性をサーバーの安定性だけでなく、利用者の操作性まで含めて捉えるという、まさにCRE的なアプローチだと感じました。ユーザーが直面する現実のオペレーションを深く理解し、それに寄り添ったシステムを設計することの重要性を改めて認識させられるセッションでした。
エンジニアリングを民主化するCREチームでありたい話
MNTSQ 株式会社 二宮 慎 さん / @mako0425
「専門家でなくてもエンジニアリングを武器にする」状態を目指す “エンジニアリングの民主化” がテーマのセッションです。
MNTSQ社のCREチームが掲げる「エンジニアリングの民主化」とは、専門的な技術力を持たないCustomer Facingのメンバーが、自らエンジニアリング的なアプローチやツールを使いこなし、顧客価値向上に繋げる状態を目指す取り組みでした。具体的には、①現場主導で改善できる、②自身でデータを可視化・分析できる、③自身の言葉で技術を説明できる、という3つの状態を定義し、そのための勉強会やツール導入を支援しているとのことでした。
そして、私が一番印象的だったのは「CREチームが"直接"顧客の信頼性向上に寄与した事例は少ない」と語られたことです。しかし、「民主化によって支援したCSなどの現場メンバーが、顧客と向き合う最前線で迅速かつ的確な対応をすることで、結果的に会社全体の信頼が大きく向上する」とのことで、この考え方に「なるほど」と共感しました。stefafafan さんがセッションで語った「チームメンバー全員の体験向上が、顧客の信頼につながる」という内容にも紐づく考え方です。
弊社でも、Customer FacingのメンバーがAIのサポートを受けながらSQLを書き始めている光景が見られ、”民主化”の波が来ていると感じます。CREとして、この流れを積極的に後押ししていきたいと強く思いました。
おわりに
CRE Campでは、アプローチは違えど “エンジニアリングで最高の顧客体験を届ける” という一点で登壇者全員がつながっていました。直接的な機能開発、開発プロセス改善、業務効率化、組織能力の“民主化”とCRE の活躍フィールドは想像以上に広大です。今回吸収した知見と熱量を自社に持ち帰り、ユーザーとメンバーの信頼性をさらに高めるべく、明日からまたコツコツ精進していきます!
また、弊社ではエンジニアを募集中です。ご興味ある方いらっしゃいましたらカジュアル面談をお願いいたします!
