こんにちは、Adventしてますか?サーバーサイドエンジニアのhiroteaです。 この記事はSmartBank Advent Calendar 2024の19日目の記事です。 昨日はputchomさんの「一緒に働く人が全員見える!デザインシステムフル活用のコーポレートサイトリニューアル」でした!
今年の9月に開催したSmartBankの上期振り返り会のコンテンツ企画の裏側を、当日の写真とともにご紹介します。
そもそも振り返り会とは
SmartBank全社員が半期に一回全員で集まる振り返り会を実施しています。 前回、23年度 通期振り返り会についてはmitaniさんが記事を書かれています。前回の様子や振り返り会を開催する意義について紹介されていますので、ぜひ併せてご覧ください。
今回は50人の壁を越え、不確実性と向き合いながらチャレンジを続けていくスタートアップ企業の「振り返りの場」を前回からさらにブラッシュアップしてどう設計し、開催したのかお伝えしてゆきますよ〜!
キックオフとテーマ設計
開催の3ヶ月前となる6月下旬に自分を含む6名の有志が運営メンバーとして集まり、キックオフを行いました。
運営はいくつかのチームに分かれ、それぞれタスクを分担して準備にのぞみました。
役割 | 概要 | 人数 |
---|---|---|
コンテンツ企画 | どういうイベントにするか企画して当日の司会・進行をする人たち | 3人 |
会場準備 | 会場の予約から当日の備品準備や配信など会場についてのあらゆることをやる人たち | 2人 |
当日撮影・広報 | 当日の写真をいっぱいとって、ブログを書いてくれる人たち | 2人 |
アフターイベント企画 | 2~3次会の幹事をする | 1人 |
相談役 | いろんなことを相談される人 | 1人(CXO) |
自分はコンテンツ企画 兼 当日撮影広報担当をすることとなりました。
キックオフ後すぐに企画チームで集まり、どのような会にするべきか?を話し合いました。
はじめにに3名お互いの感じている課題感をホワイトボードに書き出し、今の会社にとって何が必要なのかを話し合いました。
🔥出てきた課題 |
---|
他のチームが何をしているのかわからないことがある |
社歴、職種、チームによって認識がずれているように感じる |
⇒自分の周辺しか見えていない、視力の低い状態になっているのではないか? |
それぞれに思いや言葉は違いましたが、なんとなく近しい課題感を持っていること がわかりました。
SmartBankは事業をよりドライブさせるために組織体制の変更や、経営陣による戦略ファウンドリーの開催など、大きく会社のあり方を見つめ直し改革するチャレンジを続けている最中です。
会社が不確実性の高いものに対して、ダイナミックに変化しながら挑戦を続けているからこそ起きていることだとポジティブに捉えつつ、会社のチェックポイントである振り返り会で向き合わなけれいけない課題であると考えました。
組織体制変更と戦略ファウンドリーについてはCEO yutaさんと赤池さんがブログを書かれています。ぜひご覧ください!
そこで、
「会社の目指している方向性を再確認し、お互いがどんなことを考えながら日々活動しているのかを見つめ直す場にしよう。皆が一度船を降りて語り合い、そして次の日からまた同じ方向を目指して前に進んでけるような会にする」という思いを込めた「心の帆を張りなおそう〜僕たち私たちのNorth Star(北極星)を目指して〜」をテーマとして掲げることとしました。 少し漫画っぽすぎるタイトルかもしれませんが、キャッチーで印象に残るタイトルになったと感じています。
キービジュアルを作る
会より盛り上げるための最高のキービジュアルを、当時入社して3ヶ月のプロダクトデザイナーzinさんに制作いただきました!
ちなみに自分が依頼時に持ち込んだイメージと説明はこちらです。わかりやすいですね。
ご自身のnoteでこのメチャクチャなhiroteaのオーダーから、最高のキービジュアルを作成いただいた裏側の話をご紹介いただいております。ぜひ併せてご覧ください!
丁寧な前提共有、グループ感想戦、シメの本格中華
しかし上がった課題感を短い振り返り会の中だけで完璧に解決することは困難です。
そこで、「課題感の解決のきっかけとなる場にするにはどうしたらいいか?」を企画メンバーで考え、3つの柱「丁寧な前提共有を意識したチームごとの発表」「疑問を深掘りできる感想戦」そして「本格中華」を中心としたタイムテーブルを決定しました。
1. 丁寧な前提共有を意識したチームごとの振り返り
メインコンテンツであるファウンダー・経営陣・各チームオーナーからの振り返りで、どのようなメッセージを共有してもらうのかは企画チームで最も時間をかけて調整した部分です。
👀運営の視力を上げる
企画メンバー自身も「視力の低い状態(自分の周辺しか見えていない、少し先は靄がかかっている)」であり、まずは我々の解像度と視力を上げる必要がありました。
メンバーが感じている課題感は他の社員にも共通していることなのか?どのような時間を用意すれば多くのSmartBankメンバーの課題感の解決に繋がり、収穫の多い会になるのか?
ここにいるメンバーだけで考えていても解像度は上がらない、同僚たちに話を聞きに行こう!と思い立ち、社内のメンバーがどのような話を聞きたいのか、どのような課題感を持っているのかを計8名のメンバーに30分程度の1on1形式のヒアリングを行いました。
立場による捉え方の違いを知れるよう、職種と入社時期に偏りがないようにしつつ、1on1のお願いをお送りしました。
「こんにちは!会社に対して感じている課題感はありますか?ファウンダーにどのようなことを期待していますか?具体的にどのチーム、どの属性のどのような話が聞きたいですか!?を教えてください!」
企画チームのメンバーでは気づかなかった視点や自分個人にとっても新鮮な課題の捉え方など学ぶものが多くあり、ヒアリングを行った自分にとっても非常に勉強になる経験となりました。
自分自身も同僚と話していると「ああ、外から見るとうちのチームはこう見えているんだ」「同じ課題に関する話題でも立場によって捉え方が想像以上に異なっているんだ」と感じることが多く、ヒアリングを通じてその認識の差を改めて理解できたことは大きな収穫でした。
発表者に共有する
ヒアリング内容は匿名化したうえで企画チームでまとめ、その結果を発表者に共有し、発表内容の方向性を依頼しました。
ヒアリングでは、「最近入社したため、XXプロジェクトチームがどのように出来上がったのか背景を理解できていない」「隣のチームがどんな取り組みをしているのか気になる」といった、認識や背景の理解に関する意見が多く寄せられました。
そのため、以下の3点を中心に発表内容の方針依頼を行い、発表を通じて全員が同じ視点に立てることを目指しました。 ****
- 上期のチャレンジで得られた知見と振り返り
- その成果をもとにした、直近のロードマップの丁寧な共有する
- ミッションチームが解決したい課題感と具体的な取り組み・成果
- チーム単位での目標や行動をわかりやすく伝える
- 半年後、来季以降の目指すべき場所(北極星)
- 全員が同じ視点を持てるよう、目標や方向性を具体化
2. グループ感想戦で一人一人の気になりをさらに深掘り、意見を交換する
振り返り会をただの発表会で終わらせず、参加者一人ひとりが感じた疑問や意見を深掘りして共有する場として「グループ感想戦」を設けました。
発表を行った各ミッションチームや職種ごとにボードを用意し、参加者が自由に疑問や気になった点を付箋に書き込んで貼り付ける形式を採用しました。発表者はそれをもとに回答や補足と議論を行い、直接やり取りを通じて認識のすり合わせや議論を深めることを目指しました。
この取り組みは、会のコンセプトである「皆が一度船を降りて語り合い、次の日からまた同じ方向を目指して前に進む」というテーマを実現するために設計されたものです。参加者にとっては発表で揃えた目線をもとにさらに一歩踏み込んだ意見交換ができ、発表者にとっては参加者の付箋を通じて立場による認識のずれや新たな視点に気づくことができる場となるように考えました。
また、なにより「オフラインでしかできない体験とお祭りの空気を醸造したい」という運営の想いのもと行った取り組みでした。
試験的な取り組みであったため、進行や時間配分などには課題もありましたが、ただ聞いて終わる場ではなく、参加者が能動的に議論に参加できる場を提供でき、オフラインならではのランダムなコミュニケーションが多くできた良い取り組みであったと感じています。
3. シメの本格中華
スマートバンクには「冷やし中華」という「なんでも書いて大丈夫な」社内ブログの仕組みがあります。普段の業務ではなかなか聞くことのできない社員一人一人の価値観や気づきに触れることができ、個々の思いや考え方を知る貴重な場となっています。
今回はその「本格版」として、各自が胸に抱える会社への想いをLTとして発表してもらう「本格中華〜極辛北極ラーメン一丁〜」をコンテンツのトリとして設けました。
通常の振り返り会ではチームオーナーやファウンダーなど、壇上に立って話すメンバーはごく一部であり、内容も会社の取り組みに即したものに限られます。
普段あまり全社員の前で話す機会がない社員の中にある熱い思いが共有されることを期待して設計しました。
当日のようす
会を終えて
期待した会になったか?
開催後に参加者に回答依頼をしたアンケートの結果、とても満足度が高く、試験的な取り組みも概ね好評という結果でした👏
参加者から寄せられた満足度の理由として、以下のような声がありました:
- 他部署の状況を知ることができた
- LTで自分の知らなかった知見を得られた
- 熱いメッセージがいろんな人から飛び出してやる気がでた
- 普段あまり業務上で接点のないメンバーと話すことができた
- 目指すべき北極星が見えてモチベーションが上がった
これらアンケートの回答からも、今回の振り返り会が「視力を上げ」、「会社の目指している方向性を再確認し、お互いがどんなことを考えながら日々活動しているのかを見つめ直す場」として機能し、課題感の解消に向けたきっかけを十分に生み出せたと言えそうです!
また、CEOと少人数で行うランチ会を開催することで社員一人一人の視力をさらに上げるフォローアップの取り組みも行っています。ランチ会についてはそのうちinSmartBankでご紹介できるかと思いますのでお楽しみに。
まとめとこれから
振り返りの振り返り
- 「50人の壁」を越えたスタートアップの課題
- チーム間・職種間での共通認識の欠如。
- 社歴や視点の違いによる「視力の低い状態」への対応の必要性。
- 課題と向き合う設計
- 不確実性と向き合うスタートアップにおける目標の再確認。
- 社員が一度「船を降りて」互いの考えを語り合い、同じ方向を目指して進む機会の提供。
- 新しい試みのLT会「本格中華〜極辛北極ラーメン一丁〜」
- 登壇機会の少ない社員の意見や熱い思いを引き出す場。
- 参加者の満足度が高かった要因
- 普段あまり接点の少ない人の聞けない話が聞けた
- 自分の知らなかった知見を得られた
- 目指すべき北極星が明確になった
これから
かなり「熱め」の会ではありましたが、今の会社に対して運営が考える最高な振り返り会を開催できたと感じております!
今回の記事では企画チームの取り組み中心の紹介となってしまいましたが、会場の準備やお弁当の手配、会を円滑に進めるための様々な調整を運営メンバーが中心となって取り組んだことで開催できた会だったと考えています。
引き続き「今の会社に求められている振り返り会」を開催して行けるよう、今回での学びを次に繋げてゆきたいと考えています。
そんな自分も登壇する(多分)スマートバンク主催のエンジニアイベントがあります! smartbank.connpass.com
一緒に北極星を目指す仲間を募集中です!(最高の特設ページなのでチェックだけでも!) smartbank.co.jp
明日のAdventカレンダーはmurataさんです!お楽しみに
最後までお読みいただきありがとうございました!それではまた〜